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2008年06月11日(水) 13時01分

柏の病院放火:管理体制の問題浮上 入室状況の把握不十分 /千葉毎日新聞

 柏市西原の初石病院で隔離病棟に入院中の患者の男(61)=釈放後、措置入院=がベッドに放火し、個室の無職男性(58)ら2人が死傷した放火殺人事件で、出火当時、病棟内にいた看護師らが死亡した男性が個室にいたことを把握していなかった可能性があることが10日、柏署の調べで分かった。
 個室の扉は外側から施錠され、患者が自分で開けることはできない。同署は病院側の管理体制に問題があった疑いが強いとして業務上過失致死傷容疑で調べている。
 同署などの調べでは、病棟には個室が3部屋あり、この一画の出入り口と各部屋が、それぞれ施錠されていた。男性は出入り口から見て一番奥の部屋にいたが、看護師らはこれを把握していなかったという。同署は看護師らの勤務交代の際に入室状況が正確に引き継がれず、救助が遅れた可能性があるとみている。
 この火災を受け、柏保健所と県医療整備課は10日午後、病院への立ち入り調査を実施。事件に使われたとみられる備品のライターの管理や看護師らの勤務体制などを調べ、死亡した男性のカルテや医師の指示が記された関係書類の提出を受けた。
 また、11日午後には県障害福祉課が精神保健福祉法に基づき立ち入り調査を行い、関係者から事情を聴く。【斎川瞳、中川聡子】

6月11日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080611-00000078-mailo-l12