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2008年06月11日(水) 11時32分

振り込め詐欺最悪水準 「第2のピーク」 警察庁が対策室設置産経新聞

 振り込め詐欺の被害が過去最悪の水準に近づいていることから、警察庁は11日、「振り込め詐欺対策室」(室長・安藤隆春次長)を設置した。刑事、生活安全の両局長を副室長としたほか、交通局や暴力団対策部などから広く課長級幹部を室員に指定。従来の捜査2課主導の捜査・取締態勢を改め、警察の全部門から捜査や被害防止対策などのノウハウを集約する枠組みを整える。
 同日開かれた第1回対策会議で安藤次長は、「知能犯捜査部門だけではなく、さまざまな取締ノウハウを有する各捜査部門や関係機関、事業者との協力の枠組みを有する各部門が互いに協力し、警察の総合力を発揮することが必要不可欠」と指摘、全庁を挙げて効果的な取締を進めるよう求めた。
 警察庁によると、今年4月に全国で認知された振り込め詐欺は2218件、被害額は約33億3000万円に上り、過去最悪だった平成16年下半期(7〜12月)と同水準。警察庁では「第2のピーク」として警戒している。
 「社会保険」への関心の高さを反映して、「過払い金の還付」を装って口座に送金させる「還付金詐欺」が急増。今年1月から4月までの認知事件のうち、被害者の76%が女性で、60歳以上が全体の74%と突出している。
 こうした被害実態を踏まえ対策室では、携帯電話の通信事業者に対し、捜査上必要な情報協力の強化を要請する。

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