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2008年06月11日(水) 04時45分

「iPhone 3Gは最良の体験をめざして進化した」——iPhone/MobileMe担当者インタビュー+D PC USER

 Worldwide Developers Conference 2008(WWDC 2008)で行われた発表を受けて、最も注目される2つの新製品「iPhone 3G」と「MobileMe」を担当するマーケティングマネージャーが報道関係者の合同インタビューに応じた。

【他の画像:iPhone、基調講演 ほか】

 iPhone 3Gについて答えているのは、iPhoneプロダクトマーケティング担当のシニアディレクターであるボブ・ボーチャーズ氏(米アップルのiPhoneホームページの説明ビデオに登場していた人物)。そしてMobileMeについて答えてくれたのは、ワールドワイドインターネットサービス担当のシニアディレクター、クリス・サイトウ氏だ。

 インタビュー会場では、まだWWDC参加の開発者たちも見ていないiPhone 3Gを一足先に触ることができた(ただし、写真撮影は禁じられていた)。以下では、iPhone 3Gのファーストインプレッションとともに、インタビューの内容を紹介する。

●光沢感あふれる「iPhone 3G」は、親指キーボード「kana」が好印象

 まずは製品のファーストインプレッションだが、iPhone 3Gを正面から見る限りは、これまでのiPhoneとほとんど区別がつかなかった。ただし本体を少し横に傾けると、MacBook Airのように、裏面に向かってすぼんでいくお皿型のデザインを採用しており、すぐに両者の違いが分かる。

 このデザインのおかげで本体が薄くなったように見える。ただし、裏面のなめらかな曲線は、手に持ったときのフィット感を高めるのにも大きな貢献をしているが、飛行機などのテーブルに置いたときは、不安定に向きを変えそうで気になった。iPhone 3Gは背面に曲線を使う一方で、これまでのiPhoneと比べてエッジを立ている部分もあり、それによってフォルムが引き締まっている。

 本体の両側面にあるボタンなどは、より目立たなくなった印象だ。裏面は光沢のある黒(または白)で、どちらの色も指紋が目につきやすい問題はあるものの(インタビューの会場に置かれたiPhone 3Gを筆者が手にしたときには、すでに指紋だらけだった)、それなりの高級感がある。

 iPhone 3Gで、もう1つ注目すべきは、電源アダプタだ。これまでのiPhoneの電源アダプタは、iPodやMacBookシリーズに似た、正方形に電源プラグの幅の厚みを持たせたデザインで、差し込み口の部分が国ごとの規格にあわせて取り換え可能になっていた。

 これに対してiPhone 3Gの電源アダプタは大幅に小型化し、着脱部分と継ぎ目のないデザインを採用しており、一部の大型家電製品のコンセントの差し込み部分ほどの大きさになっている。アップルのサイトにその写真があるので、ぜひともそちらを参照してほしい。もちろん、このアダプタは現行のiPhoneなどとも互換性があり、電源プラグの裏側には1個のUSB端子が用意されている。

 従来の日本語入力キーボード「QWERTY-J」のほかにもう1つ加わったキーボード、「kana」キーボードも試してみた。これは今日の携帯電話では一般的な、「親指入力方式」のキーボードだ。

 表示されるボタンには、数字ではなく「あ」「か」「さ」「た」「な」……の文字が表示されているので、「そ」と入力するのであれば、「さ」の字を5回タップする。

 予測変換の機能もついているようで、携帯電話の親指入力に慣れている人なら、使っていて困ることはないだろう。入力キーの大きさがそれなりにあるので、誤操作も起きにくく、慣れてくればかなり高速な文字入力もできそうだ。

●オンラインストアでの取り扱いは中止

 ここからは、iPhone 3GとMobileMe担当者によるインタビューの全記録だ。なお、今回は合同インタビューだったため、筆者の発言は「林信行」と記している。

林信行 米アップルの発表を見ると、アップルおよびAT&Tの直営店で売るとは書かれていますが、これまでiPhoneを取り扱っていたオンラインストアについては触れられていません。オンラインストアでの販売はやめたのでしょうか。

ボーチャーズ氏 販売方法はマーケットごとの事情によって大きく異なります。米国ではアップルとAT&Tの直営店のみとなります。

——現行モデルのiPhoneは、まだ米国のオンライン版のアップルストアで売っているようですが、これはなくなるということですね?

ボーチャーズ氏 そうです。ただし、アクセサリーなどについては今後もアップルストアで販売が継続されることでしょう。

林信行 App Storeですが、これはコンテンツプロバイダーにとって、グローバル展開のチャンスととらえていいのでしょうか。

(筆者注:「App Store」は、これまで国内の携帯電話市場にしか目を向けていなかった日本のコンテンツ開発者にとって、世界進出を果たす大きなチャンスとなるはずだ。最近アップルは、iTunes Storeでの音楽販売についても同様のことを言っており、何人かの日本人アーティストはiTunes Storeを通して海外の音楽シーンへの進出を果たしている)

ボーチャーズ氏 まったくその通りです。それは我々がまさにコンテンツプロバイダーにうたってほしいことです。アプリケーションストア(App Store)は、世界62カ国で展開予定です。米国、カナダ、日本などなど……開発者は1度(国際対応の)アプリケーションを作れば、この62カ国の全iPhone及びiPod touchユーザーに届けることができます。これは日本の開発者にとっても同じです。

林信行 70カ国ではなく62カ国なんですか?

ボーチャーズ氏 ええ、iPhoneは70カ国で発売予定ですが、App Storeを展開する予定があるのは62カ国です。

——iPhoneがサポートするHSDPA接続はどの規格でしょう。

ボーチャーズ氏 我々はHSDPAのクラス6をサポートしています。ダウンロード速度は3.6Mbpsになります。

——カメラは外向きだけで、自分撮りはできないのでしょうか。

ボーチャーズ氏 内蔵カメラは、これまでどおりの仕様で、画素数は200万画素、外向きの写真しか撮れません。

——動画は撮れないのでしょうか。

ボーチャーズ氏 標準の機能だけでは撮れません。

●部分の最適化ではなく、全体の最適化をめざすアップル

——iPhone 3Gの処理性能は、これまでのiPhoneよりも上がっているのでしょうか?

ボーチャーズ氏 我々の方針で、本体のアーキテクチャなど、細かなハードウェアの仕様についてはあまりおおやけには話さないことになっています。我々はそうした個々のハードウェア要素ではなく、全体としての体験のよさに目を向けて製品開発をしています。

 例えば、Webページの表示や、メールの添付ファイルを落とす速度の快適さなどです。この速度は一部は無線仕様、つまりHSDPA通信の恩恵ですが、一部はネットワークのスピード、そして一部はグラフィックスをどれだけ速く処理できるかによるものであり、一部は計算したグラフィックスをいかに高速に画面に表示させるかの問題だったりします。我々はそうした要素の1つ1つに目を向けて最適化しています。

 スティーブ・ジョブズの基調講演では、他社のスマートフォンとのダウンロード速度の比較で、iPhoneが圧倒的な速さを見せたことが紹介されていましたが、あのスピードが達成されたのは、こうした個々の要素にわたる最適化が行われたからだと考えています。

——新しいiPhoneが採用しているCPUやGPUは何でしょう?

ボーチャーズ氏 繰り返しになりますが、我々は製品のアーキテクチャなどの詳細については話をしない方針を採っています。我々がiPhoneをデザインするときは、個々の要素をどうするかではなく、そうした要素が1つになったとき、いかに真価を発揮するかに注力しています。

 例えば新iPhoneの背面です。新しいiPhone 3Gの背面はプラスチックになりましたが、これは見た目の変化に加えて、より多くの電波を通すための工夫でもあります。

 なぜならiPhone 3Gでは、3バンドのHSDPA通信、4バンドのGSM通信、それにBluetooth、Wi-Fi、そしてGPSといったさまざまな無線技術を採用しているからです。iPhoneの内蔵アンテナや背面プラスチックでは、電波を効率的に通すために非常に手の込んだ工夫を凝らしています。

 例えばこのカメラの回りに金属のリングがあるのが見えると思いますが、これはGPS用のアンテナの一部になっています。我々はこうしたコンポーネント1つ1つを非常に革新的な方法でうまくまとめあげ、その要素1つ1つが最大限の効果を発揮するように努力しているのです。

 そうした努力の結果、これだけの無線技術を使いながらも5時間の通話時間などに代表されるずばぬけたスペックを発揮できているのです。

林信行 背面と言えば新製品では背面がきれいな弧を描いていますが、これにはどのような意味があるのでしょう?

(筆者注:同社工業デザイン部門の副社長であるジョナサン・アイブ氏は、“アップルではすべてのデザイン要素がきちんと考え抜かれ、意味があるものになっている”と常々語っている)。

ボーチャーズ氏 第1の理由は、それが大変見た目にも美しいからです。もう1つの理由は、この形にすることで、手のひらにのせたときに、大変心地が良いからです。

 iPhoneは3.5インチの大きくて明るいタッチパネル液晶を採用することで、極めて快適なWebブラウジングを可能にしました。iPhoneユーザーの極めて多くの人が、Webブラウジングをしているのも、そのおかげでしょう。我々は現行iPhoneのこうした良さを継承しつつも、さらに製品としての快適さ、使い勝手の良さや美しさを極めていこうとしました。

 使い勝手の良さといえば、ヘッドフォンジャックについても言えます。これまでのヘッドフォンのように、奥まった端子ではないので、種類を選ばずお気に入りのヘッドフォンを挿して使うことができます。

(注:従来のiPhoneはヘッドフォン端子が、本体上部の丸い穴の奥にあった。このため、ヘッドフォンの差し込み部分が穴のフチにひっかかってしまい使えないことが多かった)

 一方で、ドック端子からのオーディオ出力についても、さらなる音質向上を図りました。アップルはこのように、常にデザインを洗練させ、次のレベルに持っていくことに注力しています。

●進む国際対応

——iPhone 3Gは非常に安価ですが、その秘密は何でしょう?

ボーチャーズ氏 スティーブ・ジョブズの講演でも触れていましたが、iPhone 3Gの開発にのぞんだとき、我々には5つの課題がありました。

 1つは3Gに対応させ、GPSも搭載すること。2つめは企業情報システムへの対応。3つめは他社製ネイティブアプリケーションの提供。4つめは、もっと多くの国で売ること。そして5つめは、さらに低価格で売ることでした。

 この5つめを果たすにあたり、我々は世界中の携帯キャリアと議論を重ね、我々が納得できる経済モデル、ビジネスモデルを実現していきました。低価格の実現は、そうした話し合いの結果、実現したものです。

——基調講演では手書き文字認識が中国語の入力方式として紹介されていましたが、これは日本語には使えないのでしょうか?

ボーチャーズ氏 iPhone 3Gでは2種類の日本語入力を用意しました。1つは「kana」で、もう1つは「QWERTY-J」です。ちょっと、お見せしましょう。

(注:ここでデモ……のはずが、筆者は見せてもらえなかった。その後マシンが回ってきたので実際に触ってみたのが冒頭のインプレッションだ。先にも述べたとおり、ボタンが押しやすくて使いやすかった)

——新iPhoneは何カ国語をサポートするのでしょう?

ボーチャーズ氏 いい質問ですが、ちょっと今は正確なことは覚えていません。18カ国だったと思いますが、そうした情報は公式Webページに載っているはずなので、よければ確認してみてください(注:後で確認したところ、確かに18カ国に対応している)。

●ゲームプラットフォームとしての大きな可能性

林信行 iPhoneのアプリケーション開発者は、どんなアプリケーションでも開発していいのでしょうか?

ボーチャーズ氏 3月6日の発表で、いくつかのカテゴリのアプリケーションは受け付けないことを表明しました。例えば、Voice over IP(VoIP:IP電話機能)は、Wi-Fi接続を使って実現するぶんにはかまわないが、携帯電話網を使ったVoIPはダメということになっています。

林信行 本日の基調講演の前半は、サードパーティによるiPhone用アプリケーションの紹介が続きましたが、その内容には驚かされました。

 これまでのiPhoneは、インターネット機能を備えた携帯電話という印象がありましたが、こうした豊富なアプリケーションの誕生で、ニンテンドーDSやPSPのライバルとしても頭角を現してきた印象を受けました。おそらくデモをした10社のうちの3社がゲームソフトを紹介していたことも、影響しているのでしょう。この紹介企業の選択は特別な意味があったのでしょうか。つまり、アップルとして特にゲーム分野を重視している、といった意味があるのか、ということです。

ボーチャーズ氏 特別ゲームを重視しているというわけではありません。ただ我々が多くのゲームアプリケーションを目にし、個人的にもそれらを楽しんでいるからに過ぎません。私個人としては、同じ講演で紹介された2種類のメディアカルアプリケーションにもおもしろい可能性を感じますし、最初に見たときにはこんな使い方もあるのかと驚かされました。

 iPhoneのゲームプラットフォームとしての可能性については、ぜひゲームソフトの開発者の方々に直接に聞いてみてください。我々が聞いている範囲のことをお伝えすると、彼らは、iPhoneのゲーム機としての使い勝手や性能に非常に驚かされ、好感触を持ったようです。

 例えば3月6日に行ったiPhone SDKの発表では、セガのスタッフが発表直前になって、iPhoneの性能が予想以上によく、もっときれいなグラフィックスでも処理できるという理由で、急きょセガの日本本社に当初の予定より高画質なグラフィックスを提供するように求めた、という逸話も残っています。

 さらに講演で最後に紹介したスペインのDIGITAL LEGEND ENTERTAINMENTもいい事例です。講演でも語ったように、彼らはあれだけの高いクオリティのデモを、開発開始からわずか2週間で作り上げてしまいました。

——iPhoneには近接センサが内蔵されていますが、これは何に使われているのでしょう。これもゲーム用でしょうか?

ボーチャーズ氏 近接センサは通話時に使われるものです。あなたがiPhoneを耳につけて通話をしているあいだは、画面表示は意味をなしません。そこで画面表示を消して節電をすると同時に、耳との接触で誤操作が起きないようにしているのです。つまり、タッチセンサーを無効化しているのです。

林信行 iPhoneが登場した後、GoogleもAndroidでWebKitの採用を発表しました。またNokiaも独自にWebKitを採用しています。これによって5大メーカーのうちの4社の携帯情報端末が同じ技術に基づくWebブラウザを採用したわけですが、これによってどのようなシナジー効果が期待できると考えていますか?

ボーチャーズ氏 Googleの計画については知りませんし、それについてはあまり語れることがありませんが、我々は我々自身で、iPhone上でのWebブラウジングの体験が最高のものとなるように最適化を図っています。

 ページ全体を簡単に見渡したり、ダブルタップで必要なところにズームできたり、こうした使い勝手の良さがあるからこそ、iPhoneの顧客の98%がWebブラウザの機能を使っているのではないかと思っています。

 もちろん、Webブラウザ機能がついた携帯が普及した日本では分かりませんが、米国市場においては、そんなにWebブラウジングが行われている携帯電話など、かつてありません。

 また80%の人がiPhoneの機能のうち10種類以上を使っているという調査結果も、iPhoneの使い勝手の良さを象徴するものだと思います。ほかの携帯電話では、人々は10種類の機能を呼び出そうとするだけでも四苦八苦しているのですから。

●日本市場は大きなチャンスだ

林信行 iPhoneの日本進出については非常におもしろい議論が行われています。日本の人々にiPhoneを見せると「欲しい」という声が上がる一方で、日本の携帯電話に精通している欧米の人に意見を求めると「日本の携帯電話はiPhoneよりも先進的だから、日本ではiPhoneは売れない」という意見が返ってきます。御社ではiPhoneが日本でどのように受け入れられるとお考えですか?

ボーチャーズ氏 これは我々にとっても非常に大きなチャンスになると思っています。日本はアップルにとっても非常に大きなマーケットで、iPodビジネスも非常にうまく行っていますし、Macのビジネスにも火がつきました。また、日本は我々のものづくりに対する態度を非常によく理解してくれる国だとも思っています。それだけに日本は非常に大きなチャンスを我々に与えてくれると思っています。

 確かに日本は非常にユニークな市場だといえるでしょう。どこの国も、その国ならではのユニークさというものがあります。しかし、障害を乗り越えてでも進出すべき市場だと思っていますし、進出した際のチャンスは大きいと思っています。7月11日に、日本進出する日を楽しみにしています。

——日本などでは無線機器としての認可は受けているのでしょうか?(すでに認可は受け終わっているのでしょうか?)

ボーチャーズ氏 国ごとに規制が異なっており、認可を得るのはなかなか大変なことですが、もちろん受けています。これは簡単な作業ではありませんが、きちんと取り組んでいます。

林信行 基調講演では、位置情報を使った新機能のtrackingやサードパーティ製アプリケーションが紹介されましたが、今後、こうした位置情報の利用は広まっていくとお考えですか?

ボーチャーズ氏 ええ、そう思っています。iPhoneではGPSにWi-Fi、そして携帯電話網の電波を組み合わせた位置特定機能を採用していますが、開発者はこれを使ったアプリケーション開発が可能で、写真にGeoタグ情報(緯度経度情報)を埋め込んだり……

林信行 iPhone標準の写真機能に、Geoタグを埋め込む機能が内蔵されているということですか?

ボーチャーズ氏 ええ、そうです。

——その機能はもちろん、無効にすることもできるんですよね。人によっては、プライベートな位置情報を、Flickrなどのサイトで公開することに抵抗を感じることもあります。

ボーチャーズ氏 そうですね。Geoタグ埋め込み機能は、もちろん、オン/オフができるようになっていて、埋め込むときはユーザーにきちんと埋め込んでいいか許可を求めるようになっています。

——70カ国で売られるiPhoneは、すべて同じハードウェアでしょうか?

ボーチャーズ氏 そうです。iPhone本体のハードウェアはすべて同じです。

——では、SIMロックの作業はどこの段階で行われるのですか?

ボーチャーズ氏 それは市場によって異なります。日本の状況についても、もう少し発売時期が迫ったころに発表することになります。

●「.mac」の遺志を継ぎ、さらに発展させる「MobileMe」

——現行の.macのユーザーは、そのままMobileMeに移行して大容量ストレージが利用できるようになるのでしょうか?

サイトウ氏 そのとおりです。7月にサービスが始まれば10Gバイト、20Gバイトの容量を使うことが可能になります。

林信行 .mac機能は、MobileMeの新規ユーザーも利用可能なのでしょうか?

(注:基調講演では、MobileMeサービスの開始と同時に.macのサービスはなくなるが、これまでの.macユーザーは、「mac.com」のアドレスを始めとする従来の.macのサービスもそのまま引き続き利用できるという紹介があった)

サイトウ氏 ええ、その予定です。我々は.macの主要機能を、MobileMeに移行しました。例えば、写真共有やWebサイトを公開する「My Web」、書類を保管しておくためのiDisk、外出先から自宅のMacにアクセスするための「どこでもMy Mac」といった機能はすべて継承されます。

 その一方で、.macのいくつかのサービスは、終了します。例えば、グリーティングカードを送るサービスの「iCards」、Webブラウザを使ったブックマーク表示などです。

——Windows機のブックマークをMobileMeと同期することは可能ですか?

サイトウ氏 できます。

 以上、15分を予定していた短いインタビューだったが、これを大幅に超過し20分経ったためにこれが最後の質問となった。

 MobileMeについての質問がほとんどできなかったのが残念だが、それはどこのプレスも同じ。今回は世界各国から多くのプレスが集まり、日本のプレスだけでも数グループに分かれてグループインタビューが行われたほどだ。

 iPhoneの展開に関してはまだまだ未知の部分が多いが、これは答えを隠しているのではなく、まだこれから話し合って決めていく部分が多そうだという印象を受けた。

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