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2008年06月11日(水) 16時03分

「もう死ぬ」「だめだ」加藤容疑者、同級生にメール繰り返す読売新聞

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が数年前から、中学や高校など複数の同級生に対し、「もう死ぬ」などと伝える携帯メールを繰り返し送っていたことがわかった。

 今年3月には、「東京に遊びに来ないか」と複数に連絡し、断られると「生きていても意味がない」という内容を最後に連絡が取れなくなった。警視庁は、自殺願望を漏らしていた加藤容疑者が、無差別殺人へと駆り立てられた心理の変化についても解明を進める。

 同級生らに自殺をほのめかすメールが来るようになったのは2005年ごろ。青森県内の小中学校でテレビゲーム仲間だった同級生や、県内トップの進学校、県立青森高校の同級生たちに別々に送られてきた。

 当時、加藤容疑者は岐阜県内の短大を卒業し、仙台市の会社で警備員をした後、職を転々としていた。メールには「死にたくなったから、今から高速道路に車で突っ込む」などの自殺願望や、「もうだめだ」「疲れた」などと将来を悲観する心境や両親への不満などが書かれていた。

 高校の同級生はその都度、「そんなことはするな」とメールを返信していたが、加藤容疑者が派遣社員として静岡県内の自動車工場で働き始めた昨年11月以降、連絡が取れなくなったという。

 しかし、今年3月、「東京に遊びにこないか」というメールがあり、同級生が「仕事があるから行けない」と断ると、「ダメだ。生きていても意味がない。死んでしまいたい」というメールを最後に再び連絡が途絶えた。加藤容疑者はその直後の4月ごろから、携帯電話のサイトに仕事や私生活への不満や絶望感を書き込み始めたといい、「友達がいない」という記述も目立った。

 同級生の一人は「『死にたい』とは言っても、事件を起こすような発言は一切なかった。あれば絶対に止めていたのに」と悔やんだ。

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 東京地裁は11日午前、加藤容疑者について、20日まで10日間の拘置を認める決定をした。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080611-OYT1T00561.htm