記事登録
2008年06月11日(水) 18時19分

3大ISP、児童ポルノの発信源を遮断Computerworld.jp

 米国Verizon、米国Time Warner Cable、米国Sprint Nextelの3社は6月10日、オンライン上の児童ポルノ画像の発信源を遮断する内容で、ニューヨーク州検事総長のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)氏と合意書を交わした。

【画像を含む詳細記事】

 同州の検事局が発表した声明によると、大手インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)が違法な児童ポルノ画像の主な発信源であるニュースグループへのアクセスを禁じることに合意したのは初めてという。また3社は、全米行方不明・被搾取児童センター(National Center for Missing & Exploited Children:NCMEC)が突き止めた児童ポルノ・サイトのサーバを一掃することにも合意した。

 Cuomo氏は同日開かれた記者会見で、「われわれの戦略は一般的な捜査機関の戦略とは少し異なる。個人ユーザーを追跡するのではなく、発信側を締め出すという戦略だ。プール内に多くのユーザーがいて、そのプールに常時新たなユーザーが入ってくるとしたら、バケツでプールを空にするよりも、蛇口を閉じて流入を止めるほうが手っ取り早い」と語った。

 検事局が極秘に調査を実施した結果、ユーザーがファイルをアップロード/ダウンロードできるオンライン上のニュースグループが児童ポルノの主な発信源であることがわかった。ユーザーはISPを通してニュースグループにアクセスすることから、Verizon、Time Warner Cable、Sprint Nextelは、児童ポルノのニュースグループを完全に遮断することに合意した。

 検事局は数カ月にわたって数百万枚の写真に目を通し、思春期前の児童に対するレイプ写真など、合計1万1,390点の違法画像がやり取りされている88の掲示板を探し出したという。

 検事局との合意に基づき、3社はユーザーから寄せられる児童ポルノの苦情に迅速に対応するためのシステムを導入する予定だ。また、各社は検事局とNCMECがインターネットから児童ポルノを追放するために立ち上げる新規プロジェクトに総額112万5,000ドルの資金を提供することにも合意した。

 「児童ポルノのオンライン配信を許している他のISPについても引き続き調査中だ」とCuomo氏は語った。

(Linda Rosencrance/Computerworld米国版)

■関連キーワード
コンプライアンス IT業界動向 アクセス制御/認証

■関連記事
【連載】サイバー・セキュリティ[罪と罰]第1回:トロイの木馬を仕込んで児童ポルノを摘発(2008年05月13日)
[世界]悪意あるWebページが身近に存在——Googleの調査で浮き彫りに(2008年02月18日)
[世界]中国に拠点を移したロシアのハッカー集団が再び潜伏(2007年11月13日)
[米国]ポルノ・スパム業者に5年以上の実刑判決(2007年10月16日)
[米国]ニューヨーク司法長官、性犯罪対策を怠っているとしてFacebookを提訴(2007年09月25日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080611-00000005-cwj-sci