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2008年06月10日(火) 15時44分

「ホコ天に突っ込みたい」 秋葉原通り魔、4月に書き込み産経新聞

 ■加藤容疑者、4月書き込み

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、殺人未遂の現行犯で逮捕された静岡県裾野市、派遣社員、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)が今年4月、携帯電話のサイトの掲示板に「繁華街の歩行者天国にトラックで突っ込みたいです」と書き込んでいたことが10日、分かった。警視庁万世橋署捜査本部の司法解剖の結果、死亡した7人の死因は3人がトラックではねられた全身打撲、4人が両刃のナイフ(ダガーナイフ)で刺された失血死だったことが判明。加藤容疑者が2カ月前に抱いた計画を実行に移したとみて裏付けを進める。

 調べでは、トラックではねられたのは、川口隆裕さん(19)▽藤野和倫さん(19)▽中村勝彦さん(74)の3人。ナイフで刺されたのは、松井満さん(33)▽小岩和弘さん(47)▽武藤舞さん(21)▽宮本直樹さん(31)の4人。4人は失血死で、刺し傷はいずれも1カ所だった。

 捜査本部は、加藤容疑者の自宅アパートの家宅捜索で、事件に使われたのと同じナイフの空き箱などを押収。6日に福井県内で購入したとみて調べる。

 これまでの調べに、加藤容疑者は「人を殺すために秋葉原に来た。誰でも良かった」と供述。犯行にはナイフとともに静岡県沼津市のレンタカー店で借りたトラックを使っていたが、携帯サイトの書き込みには、4月20日に≪欲望に素直になっていいのでしたら、繁華街の歩行者天国にトラックで突っ込みたいです そんなことしませんけどね≫と記載していた。

 このほか、2月から6月までの記述には≪根拠がないのに自信がある人がいるが、正直、殺意がわきます≫≪誰でもいいから殺したい気分です≫などと無差別的な殺害の衝動がたびたび書き込まれている。

 その一方で≪誹謗(ひぼう)中傷されるのは存在が認められている 無視されている不細工な私は、その存在すら認められていない≫など、悲観的な記述も目立った。

 捜査本部では、加藤容疑者が早い段階で車を使った無差別殺傷事件を思いついたとみて追及。さらにサイトの書き込み内容を詳しく調べる。

 加藤容疑者は取り調べで生い立ちに話が及ぶと、涙を流すといい、事件について後悔しているような様子も見せるという。

                   ◇

 ■怒号の中送検

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、万世橋署捜査本部は10日、殺人未遂容疑で、静岡県裾野市、派遣社員、加藤智大容疑者を送検した。加藤容疑者を乗せたワゴン車は同日午前10時20分ごろ、同署を出発。報道陣約200人が規制のロープを突破し、立ち往生する車にフラッシュを浴びせるなど混乱した。

 加藤容疑者を乗せたワゴン車が駐車場からゆっくりと出てくると、カメラマンが一斉にロープを突破、ワゴン車を取り囲んだ。

 警察官の怒号が飛び交うなか、カメラマンの一部が地面に倒れ込んで悲鳴を上げるなど、殺気だった雰囲気に。車が人込みを抜けて車道に入ってからも、走って車を追跡する報道陣もいた。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080610-00000120-san-soci