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2008年06月10日(火) 08時00分

秋葉原無差別殺傷 「オタク」関連付け詳報 海外メディアも高い関心産経新聞

 東京・秋葉原の通り魔事件は発生直後から海外の主要メディアが相次いで伝え、その後も事件の背景を含め、「身の毛もよだつ襲撃は犯罪率の低さで知られる日本に衝撃を与えた」(AP通信)などと報じ、関心の高さをみせている。

 多くのメディアは「誰でもよかった」とする加藤智大容疑者(25)の供述を引用し、事件の無差別性を報道。7年前の同じ日に、やはり無差別的犯行だった大阪教育大付属池田小での児童殺傷事件が起きたことを取り上げた。

 AP通信は今年3月にも茨城県のJR荒川沖駅で8人が刺され、1人が死亡した事件などを引き合いに出し、「以前はまれだった殺傷事件が近年、頻繁になっている」と指摘した。

 事件の背景について、英BBC放送は「報じるには時期尚早」としながらも、日本人は「人と違うことや失敗が許されないという重圧にさらされ、社会に適応できず仕事にも就かず、他の人と同じように振る舞わなければ疎外される」と言われていることを紹介。今回の事件は「単に個人の犯罪なのか、それとも日本社会に不安をもたらす前兆の一つで、増大する重圧やストレスが疎外された人間を凶行に駆り立てているのか」と分析している。

 英紙インディペンデント(電子版)は、秋葉原は「オタク」が集まる場所で、「(派遣社員の)加藤容疑者が、犯行場所にこの地域を選んだのは偶然の一致ではないかもしれない」と指摘。その理由として、日本での終身雇用の崩壊と核家族化により男性の伝統的役割が不安定化したことが「オタク現象」を加速させている、との専門家の見解を挙げた。

 一方、中国の国営新華社通信は、「日本の狂徒、世の中がいやになったと称し、東京の街頭で7人を刺し殺す」との見出しで、事件の経緯を詳報した。

 中国共産党機関紙・人民日報は通信社・中国新聞社の記事を転載する形で、「日本の“路上の悪魔”、街頭で凶行、17人死傷」と伝えた。

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