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2008年06月10日(火) 20時06分

不人気魚・ウグイ料理をまた試食!オーマイニュース

 5月28日掲載の「不人気魚・ウグイ料理」はさらに工夫を加えると、よりおいしく食べられることが追加取材で分かった。

 第1報では“フツーに”おいしいことを強調したが、“フツー”どころか絶品と言える食べ方も発見。食の安全が問われ、また食費が高騰する昨今、トレーサビリティのはっきりした食材を安価で手に入れておいしく食べる工夫として「ウグイ料理」が注目を集めそうだ。

 ウグイは「日本のほとんど全土に分布」(平凡社『世界大百科事典』1972年初版)する。「東京付近でハヤ、またはボンバヤ、群馬県でクキまたはクキバヤ、栃木県でアイソ、弘前や日光でアカハラ(中略)など方言が多い」(同)。

 また、「長野県ではとくに祝儀に用いる」(同)というように、ウグイを盛んに食べる地域もあるが、記者の住む北海道ではほかのおいしい魚が豊富なためか、まったくの不人気。

 その証拠に、記者が今回訪れた小樽港のふ頭でも、チカやホッケを狙っている釣り人たちが図らずもウグイをたくさん釣ってしまい、アスファルトの上にポイポイとうっちゃっていた。味だけではなく、引きが強くてしかけをグチャグチャに破壊するという点からも、ウグイは釣り人たちから忌み嫌われる。

 これらのウグイを拾って食べれば、お金がかからない上に、釣りの技術を勉強する必要もない。また、世界的な食糧難の中、むざむざ捨てられる魚を無駄にせずに済むという点でも、ウグイ料理はぜひ工夫したいもの。

 記者は早速、ウグイの墓場と化した岸壁で、彼らをことごとく回収した。

 人間には嫌われるウグイだが、必ずしも簡単に入手できる訳ではない。ウグイが捨てられると、すぐにカモメが群れをなして降り立ち、丸のみにしてしまう。ウグイ拾いはカモメとの闘争だ。またネコの飼い主で、エサにしようとウグイ拾いに来ている人もいた。カモメやネコと闘うこと3時間。約15匹を回収した。

■すり身:みそ多めで、極上のうまさ

 まずは、前回も試したつみれハンバーグ。

 骨のまわりの肉をスプーンではがし、包丁でよくたたいた後、みそとショウガを練りこんですり身を作る。このとき、本来ならばミンチのための機器を使って効率よく作業すべきだが、どっこい記者の家にはそんな便利なものはない。

 前回よりもみそを多めにしたところ、驚いた。極上においしい! ハンバーグを焼くよりも、そのまま食べたほうが酒のつまみに最適。熱々のご飯にかければ絶対に合う。すんでのところで、ハンバーグを焼かずに全部食べてしまうところだった。

■甘露煮:まるで缶詰、見た目は最悪

 さて前述のとおり、ウグイを甘露煮にする地方がある。そこで今回初めて、記者も甘露煮に挑戦。圧力鍋で骨まで食べられるようにしたかったが、記者の家に圧力鍋などあろうはずもない。表面だけさっと焼いた後、合計5時間煮込んだ。ウグイのために徹夜である。

 初めてで慣れないせいか、どうしても煮くずれを起こしてしまい、見た目は最悪。食べてみると、まあ、確かにおいしい。しかし、それはちょうどイワシやサバの缶詰と同じ味で、携帯食料には最高だが、あえて家庭で食べるのもいかがなものか。

 結局生のすり身をご飯にかけて食べるのが一番、というのが、どうやら今回の結論のようだ。

(記者:熊谷 直己)

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