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2008年06月10日(火) 10時34分

未成年者の喫煙を防いでも、20歳を過ぎれば関係ない?オーマイニュース

 いよいよ7月1日より日本中で、taspoがないと自動販売機でタバコを買えなくなる。これで喫煙者の数を減らせるかどうか正念場だ。

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 今まで喫煙者を減らすための対策がいろいろたてられてきたが、路上禁煙やタクシーの車内禁煙など、どれもあまり効果がないように感じる。逆に、家や会社、公共の場で禁煙を余儀なくされた喫煙家は、歩いているうちに煙が消える(?)歩きタバコへと移っているようだ。

 以前、喫煙家だった筆者はある理由で3年前から禁煙した。自分が吸っていたころは全然気にならなかった「タバコの臭い」が、なぜか禁煙してから異常に嫌いになった。「自分が吸えなくなったから嫉妬しているんだろう?」と言われたこともあったが、そういう心理的な理由ではなく、純粋に「いやな臭い」として感じる。

 従って、前を歩いている人が歩きタバコなどしていると、もうガマンができず、早足か駆け足で通り過ぎてしまう。また、食事をしているときにそばの人がタバコを吸いだすと、食べる意欲がなくなってしまう。ほとんど病気のようだ。いったい、タバコを吸う人が病気なのか、吸えなくなった人が病気なのか、わからなくなってしまう。

 こういうジレンマの世界に、未成年者や若者を引き込まないために喫煙から遠ざけることはとても有効だとは思う。確かにタバコを吸い始めるのは、成人の少し手前からが多いと思われる。

 青少年から大人への過渡期には、「大人のふりをしたい」という気持ちになることも普通だ。こういう時期にtaspoなどでタバコを買いにくくしても、果たして喫煙をあきらめるだろうか? 昔でも、吸う人は陰で吸っていた。彼らにしたら、どこかでタバコを調達することはさほど難しいことではないのだ。

 また、一旦吸い出すと20年以上吸い続けることも普通だ。それだけやめるのは難しい。筆者は健康上の理由からやめたのだが、はっきりとした理由もない人に禁煙を呼びかけても、なかなか実行はしてくれないだろう。いや、理由があっても止められない人も多くいるだろう。それだけ中毒性の強いものだ。本当に止めようとするなら、「ニコチンパッチ」など利用するしかないだろう。

 もし、かろうじて未成年である間は吸わなくても、20歳を過ぎれば喫煙場所では、タバコを堂々と吸える。タスポの貸与など、「逃げ場の多い」制度では、未成年の喫煙者どころか、日本中の喫煙者が減るとは考えにくい。徹底的に喫煙者を減らそうとするのであれば、まず「喫煙の害」の教育、タバコの単価を値上げすること、禁煙しようとする人には無料で医療ケアをすること、そして自動販売機をなくすこと、だと思う。

(記者:工藤 和江)

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