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2008年06月10日(火) 14時59分

「彼女いない」「親に無理矢理…」目立つ責任転嫁の書き込み読売新聞

送検される秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大容疑者(右、東京・千代田区の万世橋署で)

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、携帯サイトの掲示板に残されていた加藤智大(ともひろ)容疑者(25)のものとみられる書き込みは、5月中旬以降だけで約3000回に上っていた。

 自らを「携帯依存」と呼び、両親への不満、職場の人間関係を巡る葛藤(かっとう)、雇用不安、友人や恋人のいない孤独感などを訴える言葉の羅列から、現代の病理が浮かぶ。ブログに自分の行動や気持ちを分刻みで書き込む流行の「リアルタイムブログ」に近いとみる専門家もいる。

 加藤容疑者らしい書き込みのある掲示板は、5月19日に開設され、事件前日の今月7日まで書き込みがあった。

 4日には「俺(おれ)が何か事件を起こしたら、みんな『まさかあいつが』って言うんだろ」と記述。さらに親への不満と挫折感を訴える書き込みが並ぶ。「親に無理やり勉強させられていたから勉強は完璧(かんぺき)」「中学生になった頃(ころ)には親の力が足りなくなって、捨てられた」「県内トップの進学校に入って、あとはずっとビリ 高校出てから8年、負けっ放しの人生」……。不本意な現在の境遇に至った責任を両親に転嫁している。

 仕事に関しては、「作業場行ったらツナギが無かった 辞めろってか」と人間関係の不満を記し、「別の派遣でどっかの工場に行ったって、半年もすればまたこうなるのは明らか」と、派遣社員という立場の雇用不安をつづっている。

 また、友人ができない理由として「不細工」と容姿のコンプレックスを挙げ、「彼女がいない それが全(すべ)ての元凶」と書いていた。

          ◇

 携帯電話サイトの掲示板は、不特定多数の人間が自由に書き込むことができるため、すべての記述を加藤容疑者が書いたものか、現時点で断定はできない。

 ただ、福井市内でナイフを買ったり、東京・秋葉原でソフトを買い取ってもらったことなど、加藤容疑者が警視庁の調べに供述した内容と一致する点が含まれているため、同庁は、加藤容疑者の書き込みだとの見方を強めている。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080610-OYT1T00427.htm