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2008年06月10日(火) 03時04分

ナイフ購入など、数日前から携帯サイトに…加藤容疑者読売新聞

 東京・秋葉原で起きた無差別殺傷事件で、逮捕された加藤智大容疑者(25)が事件を起こすまでの数日間の行動を同時進行で書き込んだとみられる携帯サイトの掲示板が9日、見つかった。

 警視庁の調べに対し加藤容疑者は「数日前から(携帯サイトに)書き込みをしていた」と供述。サイトの記述の中に、福井県内でナイフを購入したことなど、供述と一致する点もあることから、同庁は、本人が書いた可能性が高いとみて確認を急いでいる。

 このサイトは、事件当日の8日に書き込んだものとは別で、4日から7日までの分には特に克明に、加藤容疑者らしい男の行動や気持ちがつづられている。

 「俺(おれ)がなにか事件を起こしたら、みんな『まさかあいつが』って言うんだろ」。4日午前0時58分には、就寝前に、自分が事件を起こすことを想像する内容の書き込みがあった。

 同5時32分以降は、起床とともに、自分の小学生時代を振り返り、「親が書いた作文で賞を取り」「親が周りに自分の息子を自慢したいから、完璧(かんぺき)に仕上げたわけだ」などと不満を書き連ねた。

 4日午後5時7分には、「土浦の何人か刺した奴を思い出した」と、JR常磐線荒川沖駅(茨城県)の殺傷事件に触れていた。

 5日になると、職場で自分の作業服を、周囲が隠したと思い込む記述がある。

 「作業場行ったらツナギが無かった 辞めろってか わかったよ」(午前6時17分)

 加藤容疑者はこの日、職場の自動車工場で不満をぶちまけて早退したことが判明している。その後、作業服は見つかり、工場側は連絡を入れていた。

 6日未明には、解雇を覚悟した投げやりな記述が続き、午前10時7分には、名古屋市にいると書いた。その後、ナイフを買いに福井県に来たと書き込んだ。

 「買い物 通販だと遅いから福井まででてきた」(午前11時14分)

 午後8時49分。帰宅したらしく、「ナイフを5本買ってきました」と書く。

 加藤容疑者は警視庁の調べに、福井市内で5本のナイフを購入したことを認めているが、店は「(加藤容疑者に)6本売った」と話している。

 事件前日の7日には、ソフトを売りに秋葉原へ行ったが、買い取り価格への不満を書いていた。

 「買取32000(円)は舐(な)めてるだろ」

 加藤容疑者は調べに対し、「7日に秋葉原で、レンタカー代稼ぎにゲームソフトを売って3万2000円を得た」と、ほぼ同じ内容の供述をしているという。

 サイトには秋葉原で、レンタカーの調達を試みたとも書かれている。「レンタカーに空きがなかった トラックじゃ仕方ないかも」(午後1時14分)

 この後、秋葉原から電車で静岡県沼津市のレンタカー営業所へ予約をしに向かったとみられる。「さあ帰ろう 電車に乗るのもこれが最後だ」(同1時43分)

 トラックの予約を済ませると、こう書き込んだ。

 「小さいころから『いい子』を演じさせられていたし、騙(だま)すのには慣れてる 悪いね、店員さん」(同4時1分)、「無事借りれた 準備完了だ」(同4時3分)

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080610-OYT1T00069.htm