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2008年06月09日(月) 22時08分

<秋葉原通り魔>「5、6日に決意」 福井でナイフ6本購入毎日新聞

 東京・秋葉原の通り魔事件で現行犯逮捕された派遣社員、加藤智大(ともひろ)容疑者(25)=静岡県裾野市富沢=が事件2日前の6日、福井市のミリタリーショップで今回の事件に使った凶器のダガーナイフ(短剣、刃渡り約13センチ)などナイフ6本を購入していたことが分かった。5日朝に派遣先で「仕事着がない」と騒いで6日は欠勤し、このころ事件を起こす決心をしたと供述していることから、警視庁万世橋署捜査本部は、事件の準備をこの日始めたとみて裏付けを進めている。

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 捜査本部によると、加藤容疑者が8日の事件発生時持っていたのはサバイバルナイフではなく対人用の武器である両刃のダガーナイフで、内ポケットには折り畳み式の小型ナイフ(刃渡り約9センチ)を持っていた。その後、トラックに置かれていたショルダーバッグからサバイバルナイフ(同約12センチ)とペティナイフ(同10センチ)、特殊警棒1本が見つかった。バッグは運転席と助手席の間に置かれていた。現場の交差点にはペティナイフ(同約11センチ)も落ちていた。

 ショップの運営会社によると、加藤容疑者が来店したのは6日午後0時44分ごろ。店員に「静岡から来ました」と話し、ダガーナイフなどナイフ6本と特殊警棒1本、革手袋1個を購入した。代金計3万4600円は現金で支払った。服装は事件当日の着衣と同じジャケット姿だったという。運営会社社長は「商品を選ぶのが早かったので、事前にネットなどで品定めをしてきたと思った」と話した。

 加藤容疑者は携帯電話の専用掲示板に事件当日、通り魔を予告する書き込みをしていたことが既に判明しているが、同じサイトの別の掲示板に加藤容疑者とみられる人物が6日、福井でナイフを買った趣旨の書き込みがあった。

 在来線と新幹線を乗り継いで静岡から福井県に行ったと記述され、「買い物 通販だと遅いから福井まででてきた」「ナイフを5本買ってきました」などと書き込んでいる。捜査本部は福井市のショップの購入記録などから実際は6本購入したとみている。

 加藤容疑者は5日の始業直前の午前6時ごろ「自分のつなぎ(作業着)がない」と大声で騒いだため、同僚がリーダーに報告。リーダーが駆けつけたときには、姿を消していた。掲示板にはこの日「ツナギが無かった 辞めろってか」と自暴自棄になり、「犯罪者予備軍って、日本にはたくさん居る気がする」「やりたいこと…殺人」など事件に傾斜していく書き込みが続いていた。

 また事件前日の7日には、秋葉原へ行き、現金の工面のためコンピューター関係とみられるソフトを売ったと記述。下見を兼ねて金の工面に行ったとみられる。大型のトラックを借りようとしたが、クレジットカードが必要で無理だったことなども書かれていた。

 捜査本部は、掲示板に書かれた内容通りに福井市でナイフなどを購入していることから、これらの記述も加藤容疑者が書き込んだとみて事件との関連を捜査している。

 加藤容疑者は取り調べに素直に応じており、事件について悔やんだ様子も見せているという。また、捜査員に生い立ちについて涙を浮かべて話したりしているという。捜査本部には、加藤容疑者が仕事関係のトラブルで悩んでいたとの情報もあり、事件の動機を詳しく捜査している。【川上晃弘、佐々木洋、古関俊樹】

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