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2008年06月09日(月) 20時00分

<秋葉原の通り魔>「防ぎようがない」 福岡・天神など九州の繁華街、観光地にも衝撃毎日新聞

 東京・秋葉原の通り魔事件は、九州・山口で人が集まる繁華街や観光スポットの関係者にも衝撃を与えた。福岡県久留米市は9日午前、通常は学校の周辺を巡回している市の防犯用青パトを、念のため人通りの多い西鉄久留米駅やJR久留米駅周辺に向かわせた。

 福岡市中央区にあり1日延べ35万〜40万人が通行する天神地下街。防災センターの木村勲所長は9日の朝礼で、事件を念頭に巡回するよう警備員に指示した。「(事件は)ないにこしたことはないが、警察や店舗と連携を密にして、不審者情報があれば巡回を強化したい」と話す。

 北九州市小倉北区の魚町商店街振興組合(85店舗)の瀬口裕章理事長は「全く予期できない、想像を超える事件。正直言って防ぎようがない」。同組合などで作る小倉中央商業連合会の安全安心部会で「検討課題として提起したい」という。

 99年9月に通り魔事件の現場となり、15人が死傷した山口県下関市のJR下関駅では、山本肇副駅長が朝礼で駅員らに「改めて不審者や不審物に気をつけてほしい」と注意喚起を促した。関門海峡を望む観光スポットとして多くの人が集まる同市の商業施設「カモンワーフ」事務局は「開放的な施設なので同様の事件が起これば防ぎようがない」と困惑。「あんなことが起きないよう祈るしかない」と話す。

 ◇過去10年で67件の事件

 過去の通り魔・無差別殺傷事件で最も死者が多かったのは、大阪府池田市の大阪教育大付属池田小で01年に起きた事件で、男が児童8人を殺害、教師を含む15人に重軽傷を負わせた。発生日は今回と同じ6月8日。男は04年9月に死刑が執行された。山口県下関市のJR下関駅で99年9月、男が車で突っ込んで人をはね、包丁で刺した事件では、5人が殺害され、10人が重軽傷を負っている。

 警察庁によると、通り魔による殺人・殺人未遂事件は、98〜07年までの10年間で全国で67件起きている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080609-00000022-maiall-soci