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2008年06月07日(土) 17時55分

「おかかえ運転手」サービス 富裕層に人気J-CASTニュース

 団塊世代など富裕層のあいだで、ゴルフ場や会員制リゾート施設、会社や病院への送迎に使う「おかかえ運転手」が話題になっている。ハイヤーよりも安く、自家用車の運転を代行する。利用者の多くは企業のオーナーやリタイヤした元役員などで、「運転手付き」というステイタスが気持ちいいようだ。

■利用者の多くは60歳以上

 このサービスをしているのは「おかかえ運転手株式会社」という会社で、サービスの名前は「おかコール」。「おかかえ運転手を呼べ(コールしろ!)」という意味だそうだ。登録運転手は150人を確保。女性の運転手もいて、英語の通訳や秘書業務もする。また、ボディーガード、囲碁や将棋の相手やパソコンでの株価チェックなども行う。ここまですると、運転代行というよりも人材派遣だ。

 利用者の多くは60歳以上。スポット契約(4時間で1万3000〜1万6000円、燃料費などは実費)で、いまは1か月5、6本程度の実績だが、団塊世代の退職などで富裕層の人口増を見込んでいて09年9月期までに7000万円の売上高をめざす。

 利用の仕方は、別荘や会員制リゾートホテルの往復、「郊外に引っ越す、また故郷に墓地を建てるために現地見学に行くときに使う方もいます」(森田正美副社長)という。

 ビジネスでの利用は定期契約もあり、年契約(月〜金1日9時間、クラウンやメルセデスベンツ級)の場合で40万円になる。ビジネスといっても、基本は個人。「会長職に退いても工場や支店を回りたいという方は、ビジネスとプライベートを使い分けて、工場を回ったあとにデパートで買い物したりホテルで友人と食事をとったり、といった使われ方をします」。

 ゴルフ旅行や温泉旅行といった宿泊を伴うケースでは、「おかかえ運転手」が指定された場所まで出かける「片送り・片迎え」から、利用者といっしょに宿泊するケースもある。宿泊費は利用者が負担するにもかかわらず、「指名してもらい、旅行先でも観光地を案内して回る」という。リピーターが多いのも、このサービスの特徴だ。

■乗り慣れた自家用車であることも人気の秘密

 利用者にとっては、乗り慣れた自家用車であることと、気心が知れた、まさに「おかかえ運転手」のようであることが人気。森田副社長は「たとえば毎日通っていた道、好きな道、気に入った道があって、そこを通ることにこだわっている方が意外に多かったりする。どうも、こうしたかゆいところに手が届く、きめ細かなサービスが心地いいようです」と分析している。

 タクシーやハイヤーの運転手のように、プロ意識が強すぎて、「黙って乗っていろ」といった威圧感がないのがいいようだ。

 6月10日からは「駅宅クン」サービスも開始。こちらは駅や海外旅行へ行くときに空港まで自家用車で出かけた人が、運転手のピンチヒッターを呼んで自宅の駐車場まで「回送する」サービス。クルマを先に返しておいて、思いっきり飲み、あとでゆっくりと電車やタクシーで帰るということもできる。

 「銀座や六本木のホテルでのレセプション時などで利用してもらえれば」と期待する。


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