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2008年06月06日(金) 17時37分

あなたもこれでロックギタリスト?オーマイニュース

 ガンズ・アンド・ローゼズ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、サンタナ、エアロスミス、メタリカ、アイアン・メイデン、キッス……。これらのミュージシャンの演奏している姿を頭に思い描けるようであれば、普段ゲームをしない方でもこのゲームは「買い」かもしれない。

 『ギターヒーロー3 レジェンド オブ ロック』(以下、『ギターヒーロー3』)が、3月6日に日本で発売された。プラットホームはPS2&PS3とWiiで、今夏にはXbox 360版も発売される予定だ。

 画面の合図と音楽のリズムに合わせてボタンを押す、いわゆる「音ゲー」である。アーケード(ゲームセンター)にある『ギターフリークス』『ビートマニア』『ダンスダンスレボリューション』『太鼓の達人』と似たようなゲームというとお分かりになるだろうか。

 日本では98年ごろから「音ゲー」人気が始まり、その人気は今も健在だが、欧米ではここ数年で人気が出てきた。その中心にいるのが、この『ギターヒーロー 3』である。07年10月にアメリカで発売されると、発売わずか6日間で140万本を売り上げた。累計売り上げは1550万本を誇る超ヒットシリーズである。

■ギターヒーロー3の魅力

 『ギターヒーロー3』も基本的に多くの「音ゲー」と同じ遊び方をする。画面に流れてくるマークと音楽に合わせてボタンを押す。タイミングよく押せたらきれいに音が出て得点が加算さる。タイミングが悪いと得点がもらえず、ノイズが流れる。1曲ないしある程度の演奏が終わったときに、一定以上の得点を獲得できれば、次のステージ(曲)に進み、得点が低いとゲームオーバーとなる。

 目新しい要素は少ない。では、『ギターヒーロー3』の魅力はどこにあるのか。それは、ギタリストへのなりきり度の高さだ。

 まず、コントローラー。ゲームソフトに同梱(どうこん)されているのはワイヤレスのギター型コントローラーである。5つのフレットボタン(緑、赤、黄、青、オレンジ)とストラムバー、ワーミーバーが付いている。ギターコントローラーを肩にかけ、左手でフレットボタンを、右手でストラムバーとワーミーバーを操作する。ギターコントローラーのデザインはギブソンレスポールモデルとクレイマーモデルの2種類で、メーカーより正式ライセンスを受けた本格的なもの。本物よりはやや小型で軽いが、ゲームなのだから仕方ないし、むしろ肩も凝らなくてこちらが良い。ワイヤレスなので、激しいギターパフォーマンスも可能である。

 次にゲームシステム。ゲーム画面には、5つのスコア(ライン)が表示されており、それぞれのラインがギターコントローラーの5 つのフレットボタンに対応している。ポイントは、スコアに合わせてただフレットボタンを押せばいいのではなく、左手でフレットボタンを押した上で、右手でストラムバーを弾く必要があること。左手でギターの弦を抑え、右手でギターの弦をピックで弾く。それと似た動作で操作するのだ。この操作が本物のギターになかなか近い。

 「音ゲー」の肝ともいえるスコアは、実際のギターの弾き具合と、近い形でうまく調整されている。例えば、ゲーム中のギターが「ジャカジャカジャカジャカ」と小刻みに音を刻んでいたら、スコアのボタンも小刻みに出てくるのでストラムバーを小刻みに動かすし、「ジャーン」と長めの音の場合は、フレットボタンを抑えて一度だけストラムバーを弾く感じだ。

 コントローラーと弾き方(操作方法)を、よりギターに近づけることで、ほかのゲームにはない演奏感が、『ギターヒーロー3』にはある。

 そして、それを効果的にしているのが、ボーカル付きの原曲の使用。『ギターヒーロー3』内の曲には市販のCDと同じものが使われているのだ。自分の演奏に合わせて、スティーヴン・タイラー(エアロスミス)やポール・スタンレー(キッス)が歌ってくれるのだから、こんなに楽しいことはない。曲名は公式サイトをご覧頂きたいが、すでに列挙したミュージシャン以外にもローリング・ストーンズやホワイト・ゾンビ、ブラック・サバス、ハートなど、「レジェンド・オブ・ロック」という副題通り、ロックの歴史に名を刻む1980年代のロックミュージシャンの曲に、最近のロックバンドも含めた70曲以上が収録されている。

 ここまでの紹介で『ギターヒーロー3』の魅力が伝わっただろうか。正直、言葉だけでは難しいだろう。というわけで、百聞は一見にしかず。YouTubeなどの動画投稿サイトで「Guitar Hero」で検索してほしい。アメリカの8歳の天才ギタリストや、日本のかわいい4歳のギタリスト、アメリカの有名女性キャスターの演奏など、すぐに見つかる。ギターコントローラーがどんなものなのか、『ギターヒーロー3』の魅力は何なのか、簡単によく分かるはずだ。

■ギターヒーロー3の不満点

 ただし、不満点もある。「洋ゲー」らしいといえばらしいが、メニュー選択方法などインターフェースが洗練されていない。ゲームの全体を把握するのにちょっと戸惑ってしまう。ヤリコミ要素もしっかりとあるのだが、インターフェースのせいで、のめり込みづらい。プラットホームによって異なると思うが、PS2版はロード時間がそれなりに長い(購入を複数のプラットホームから選択できる人は最新のプラットホーム版にした方が良いだろう)。また、日本語版として出ているものの、説明書や、ゲーム内の説明がほとんどが英語のままで弱い。せっかくローカライズしているのだから、もう少し頑張ってほしかった。

■購入にあたって

 これから購入を考える人は、まずは日本語公式サイトをチェックしよう。日本語公式サイトは必要最低限の情報のみ掲載されているので、可能であれば、英語の公式サイトも見ることをお勧めする。特にMEDIAの動画コーナーには、ゲーム内に登場する有名アーティストへのインタビューや、モーションキャプチャーの様子などがあり面白い。

(記者:田代 啓介)

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