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2008年06月06日(金) 12時01分

振り込め詐欺:古典的「おれおれ詐欺」再び急増 三河の主婦、800万円被害 /愛知毎日新聞

 ◇「会社の金使い込んだ」−−言葉巧み、銀行に誘導
 三河地方の30代の主婦が4月中旬、振り込め詐欺で現金800万円をだまし取られる被害に遭っていたことが分かった。家族などを装い、現金を振り込ませる古典的な「おれおれ詐欺」の手口。振り込め詐欺の相手をだます方法は複雑化していたが、今年に入って県内で再び「おれおれ」が急増しており、県警が注意を呼びかけている。【桜井平】
 県警によると、主婦の自宅に4月中旬、男の声で「おれだけど、会社の金800万円を使い込んだ」と電話があった。主婦は県外に住む20代の会社員の弟と信じ、現金を弟の自宅に車で届けようとしたが、男は「監査が入って会社から出られない」などと言葉巧みに銀行に誘導、計800万円を振り込ませた。
 男は「携帯を会社に取り上げられた」と連絡用の電話番号を告げ、その後は主婦から電話をさせていた。ガラガラ声だったが、主婦は弟がたまたま3週間前に風邪を引いたのを知っていたため、不自然に思わなかった。
 主婦は帰宅後、振り込め詐欺に注意を呼び掛けるテレビ番組を目にし、手口が酷似していることに気づき、被害が分かった。県警が主婦の振り込んだ銀行口座を調べたところ、800万円は埼玉県のコンビニエンスストアのATM(現金自動受払機)から引き出されていたという。
 警察庁によると、最近の振り込め詐欺は▽警察官や弁護士など第三者を装う▽被災者への募金をかたる——など手口は複雑、巧妙化している。その一方で、古典的な「おれおれ詐欺」への回帰傾向も出ているようだ。県内の振り込め詐欺のうち、県警が認知した今年1〜4月の「おれおれ詐欺」の件数は、前年同期比約7割増の108件、被害額は同5割増の2億7000万円に急増しているという。

6月6日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080606-00000035-mailo-l23