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2008年06月05日(木) 19時55分

「モテないとトップになれない」 「島耕作」社長就任の秘密J-CASTニュース

 漫画の主人公・島耕作の社長就任を朝日新聞や日経新聞といった全国紙が報じ、出身地の岩国市ではお祝いの横断幕まで登場した。週刊誌では実在する人間のように扱われ、新社長として麻生太郎元外相と対談した。ラジオDJにも初挑戦する。なぜこれほどまでモテるのか。

■出身地の岩国では駅前に「祝 社長就任」の横断幕

  「家電大手の初芝電産は『初芝・五洋ホールディングス』初代社長に、初芝電産の島耕作専務(60)を起用する方針を1日までに固めた」

 朝日新聞は2008年4月1日付けでこんなスクープを放った。記事では、日本一有名なサラリーマンがついに経営トップに就くと説明、島社長のカラー写真も付いていた。

 島耕作は、講談社の漫画週刊誌「モーニング」で連載している「島耕作」シリーズの主人公。1983年から連載が始まり、単行本は合計3000万部以上も売れ、映画化もされた。どちらかといえばアウトローな主人公が、課長から部長、取締役と出世し、恋愛や不倫を織り交ぜた多彩なエピソードを展開する。「団塊の世代の希望の星」といった表現もされてきた。

 島は出身が山口県岩国市。作者の弘兼憲史さんと同じだ。そのせいもあって、岩国市交通局は08年5月29日、JR岩国駅前に「祝 初芝五洋ホールディングス 社長就任」と書いた8mの横断幕を飾った。5年前から走らせている「島耕作バス」にも、社長就任を知らせる幕を貼り、市内を08年6月下旬まで巡らせている。同市交通局はバスを走らせた5年前に「いつか社長になれればいいですね」とマスコミに話していて、願いがかなった今回の社長就任は感無量だとし、

  「地元出身の全国区の有名人。社長になれてよかった、という声がたくさん聞かれます」

 とJ-CASTニュースの取材に話した。

■団塊の世代は島を自らに投影し共に歩んできた

 「週刊朝日」の08年6月13日号では、島が「初芝五洋ホールディングス社長」として麻生太郎衆議院議員と4ページに渡って対談。会社経営に関する様々な問題や今後の方針などを語りあった。トップの資質は、という話題になったときに、島は、

  「モテない人間はトップに向かないかもしれませんね」

 などと麻生氏に対し語っている。「週刊朝日」の山口一臣編集長は、島の社長就任で、「モーニング」と違う雑誌で対談するのは極めて面白いと思ったのが、島を登場させたきっかけ。

  「サラリーマンを題材にした漫画は数多くありますが、島耕作でなければこうした対談は難しかったと思う」

 と話した。

 「モーニング」編集部によると、漫画「島耕作」を支えてきた中心は団塊の世代。25年前から始まった連載で島は当初課長だったが、団塊の世代も同じようなポジションだった。島の成長や昇進していく姿を自らに投影し共に歩んできた感覚が読者にあり、今でも50代、60代のファンも多くいる。若い世代は「こんな上司がいてくれたらいい」という思いの読者が多いという。

 島は「モーニング」以外で活躍することがこれからも増えそうで、08年6月13日には文化放送で島がラジオDJに初挑戦する「DJ島耕作の阿久悠リクエストパレード」が放送される。


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