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2008年06月05日(木) 12時00分

「原臭」みたいなものはあるの? ニオイのメカニズムに迫ってみた!R25

この時期、公園とか緑の多い場所を歩いていると、ツンとした男性的な“アレのニオイ”を嗅ぐことはありませんか? この正体、実は栗の花らしいのですが、花とアレのニオイが同じに感じられるなんて、不思議でなりません。もしかして、色の三原色と同じように“三原臭”みたいな大もとのニオイがあるのかも? TVでも活躍している臭気判定士の石川英一さんに伺いました。

「結論から言うと、“原臭”というものはない。人がニオイとして感じることができる物質は、およそ40万種類。そのうち日常的に出くわす可能性があるものだけでも200〜300種に及ぶんだ。それらすべてが酸素・窒素・水素などの元素から成っていることは確かなんだけど、三原色のような“元素”はないんだよ」

ニオイは単純な組み合わせで成り立っているわけではないんですね。では、なんで似たようなニオイがするんでしょう?「複数の原因が考えられるな。例えば、“スカトール”というスカンクガスの物質は濃いと悪臭だが、感じるか感じないかの微妙な濃度になると、まるでフローラル系のような芳香に変わる。つまり、ニオイ成分の濃度によって、まるっきり違う物質と混同してしまう可能性があるんだ。また、初めてのニオイを嗅いだとき、脳はそれまでの経験から似たニオイを探して、危険かどうかを判断する。過去のデータと照らし合わせるなかで、『あ、○○と似てる』と思い浮かぶってワケだ」

脳が他のニオイとリンクさせている、と。

「それに、先入観も大きい。“メチルシクロペンテノロン”って物質は、教科書的には“カラメルのニオイ”と説明されていて、私もそうだと思っていた。ところが、最近は“カレーのニオイ”と表現する人が増えている。そう思って嗅いでみると、なるほどカレーっぽい。つまり、誰かが『○○のニオイに似てね?』と言おうものなら、周りの人の嗅覚はそう認識してしまったりもする。人間の嗅覚はフレキシブルというか、けっこういい加減なんだよ」

他人に影響されて認識してしまうなんて、だまされやすいメカニズムですね…。最後に、人によってニオイの好みも様々ですが、 “誰からも好かれるニオイ”みたいなの、ありません?

「“あまり嫌われることがないニオイ”と考えるなら、日本人なら柑橘系の香りだな。アメリカならオレンジだし、さらにオーデコロンの元祖であるドイツの『4711』は、トップノート(最初に感じる代表的なフレーバー)がシトラス。そんなふうに考えると、“誰からも好かれるニオイ”に近いのは、柑橘系のやや甘い香りなんじゃないかな」

なるほど〜。今度合コンに参加するときは、ヘアワックスやオーデコロンに柑橘系の香料を使ってみようっと!
(R25編集部)

「原臭」みたいなものはあるの? ニオイのメカニズムに迫ってみた!の詳細情報

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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