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2008年06月05日(木) 20時23分

<出会い系サイト>無料サイトがきっかけでトラブルに 国民生活センター調べ毎日新聞

 懸賞や占い、着うたや着メロのダウンロードなどができる無料のサイトにアクセスしたことで、知らないうちに出会い系サイトに登録され、不当な料金を請求されるなどのトラブルが増加していることが5日、わかった。会見した国民生活センターは「期待を抱かせる巧妙な手口で不当な請求をするので注意してほしい」と呼びかけている。【浜田和子】

 ◇若者だけではない

 このほか、無料の懸賞サイトに応募したら当選したと連絡があり、個人情報を書き込んだら出会い系サイトに登録されたり、出会い系サイト利用経験者が二次請求に遭い相談に駆け込んだという事例もある。同センターは「いったん払い込んでしまったお金はなかなか返ってこないもの。それに、ただで賞金をくれるなんていうおいしい話はありません」と話す。

 同センターが07年度に全国の消費生活センターで対応した出会い系サイトに関する相談件数は2万9932件。調査を始めた04年度の4万9642件から2年連続で減少していたが、07年度は前年度比125%と増加に転じた。

 相談者の内訳は、10代以下4299件▽20代9687件▽30代8737件▽40代4542件▽50代1378件▽60代353件▽70代以上115件。04年度は20代・30代で7割以上を占めていたが07年度には6割に下がり、40代以上の相談者の割合が増加傾向にある。

 今国会で出会い系サイト規正法と特定電子メール法の改正について審議され、5月末可決、成立した。異性紹介事業者は届出制となり、また広告宣伝メールの規制強化が盛り込まれたが、年内といわれる施行までには間がある。

 同センターは、無料サイトに安易に近づかない▽不当な請求に対しては支払わない▽出会い系サイトのメールが届いても個人情報を教えない▽執ような請求にはアドレスを変更するなどの対応をとる▽困ったら放置せず消費生活センターへ相談する−−などをアドバイスしている。

 相談の具体事例をいくつか紹介しよう。

事例1:無料の懸賞サイトに登録したら、携帯電話に4等400万円の懸賞に当選したというメールが届いた。賞金を受け取るために必要と言われ、出会い系サイトに個人情報を登録した。サーバーに故障があった、手違いがあった、などの理由で何度も同じメールを送るはめに。結局10万円近い利用料金が請求され賞金は振り込まれなかった。

事例2:無料の占いサイトに登録したら出会い系サイトからメールが届くようになり、「女性無料」とあったので興味本位で利用した。途中で有料に切り替わったが、出会った相手からのメールに「会ったときにお金は肩代わりする」などと言うので続けていたが会う直前にいつもドタキャンされ、相手は「サクラ」ではないかと思うようになった。現在100万円の借金がある。

事例3:無料の着メロサイトにニックネーム、年齢、性別を入力して利用したら、複数の出会い系サイトに登録されたようで、難病の幼児を持つ父親だという男性からメールが届くようになった。同情して話を聞いたり相談に乗ったりしていたが、結局会えないまま80万円程度の利用料の支払いを請求されている。

事例4:ソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)での友人からメールでサイトを紹介された。そのサイトを通じて友人とメールの交換をしたが、直後にサイト運営業者から「ご登録ありがとうございました」とメールがあり4800円を請求された。有料との表示や利用規約などはなく、出会い系サイトであったことも知らずにいた。

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