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2008年06月04日(水) 01時27分

ドル安、FRB議長が懸念表明朝日新聞

 【ワシントン=西崎香】米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は3日、米経済について講演し、最近のドル安傾向について異例の懸念を表明。「財務省と共同し、外国為替市場の動向を引き続き注意深く監視する」と述べ、過度のドル安に警戒感を示した。

 ドル安定への意志を鮮明にし、外国人投資家らによる対米投資への不安を和らげ、米景気を下支えする狙いもある。原油など商品相場の高騰を和らげる思惑もある。ポールソン米財務長官は訪問先の中東で2日、「ドルは基軸通貨」「強いドルは国益にかなう」などと発言していた。

 急ピッチなドル安を食い止める「口先介入」とも受け止められており、ドル相場は円やユーロに対して上昇。為替当局によるドル買い介入などを警戒する動きが強まった。正午(日本時間4日午前1時)現在は1ドル=105円27銭と、前日夕から1円近い円安ドル高。

 バーナンキ議長は、米経済の先行き不安で昨年以来加速したドル安傾向が「不快なインフレ上昇の一因になった」と指摘。「我々はドルの価値の変動がインフレに与える影響に注意を傾けており、政策を実施してゆく」とし、価格安定と雇用確保をめざす政策運営で「強く、安定したドル」の維持を期待した。

 金融政策は据え置きを改めて示唆。これまでの大幅な緩和を背景に「政策は当面、成長と価格安定を促すにあたり、妥当とみられる」とした。

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