記事登録
2008年06月04日(水) 06時07分

出資金詐欺事件 知的障害者も被害読売新聞

 秋田市の先物取引会社「ファーストオプション」(破産)の出資金詐欺事件で、同社が知的障害者や体が不自由な高齢者、年金生活者らからも出資金を集めていたことが県警の調べでわかった。また、詐欺容疑で逮捕された同社の元社長細川広明容疑者(49)が事務所を閉鎖する直前、解約を求めて事務所を訪れた顧客に、「2年間で10億円もの使途不明金がある。部下が出資金を使い込み、こういう事態になっている」と、部下に責任を転嫁するような言い逃れをしていたことも関係者の話でわかった。

 県警の調べによると、同社は県内の高齢者を中心に666人から約78億円もの出資金を集めていた。被害者の中には、軽度の知的障害者や、足が不自由で歩行が困難な高齢者、年金生活者ら社会的に弱い立場にある人たちもいたという。

 関係者によると、元役員川崎政美容疑者(55)(詐欺容疑で逮捕)や営業社員らは、知的障害者とその家族を秋田市の料理屋に接待し、追加出資を求めていたこともあった。

 しかし、役員や社員に指示する立場にあった細川容疑者は、顧客には、「70歳以上の高齢者や年金生活者、障害者から絶対にお金を取ってはいけないと、社員たちに朝の会議で話していた」と説明していた。

 一方、県警によると、細川容疑者は集めた出資金を個人の遊興費や外車の購入費などに充てていた。

 同社の資金繰りが悪化し、2005年5月に、同市の同社事務所を閉鎖した直後の同年7月、細川容疑者は、出資金の返金を求めていた県央に住む顧客宅を訪れ、川崎容疑者と元役員吉田直哉容疑者(49)(同)の名を挙げ、「部下に裏切られた。営業社員たちが顧客の証書や領収書を勝手に偽造していた。社員を刑事告発する」などとと説明。

 さらに、細川容疑者はこの顧客に「自分に金を預けてくれれば、必ずもうけさせてあげる。5人ぐらいでいいから1人100万円ずつ出してほしい。2年後には20万円は返せる」と追加投資を迫ったという。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20080604-OYT8T00150.htm