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2008年06月04日(水) 00時00分

虚偽の賃貸「覚書」、元役員が署名押印 組事務所問題朝日新聞

 東証1部上場の港湾運送大手「上組(かみぐみ)」(神戸市)の元役員らがうその説明でマンションを借り、実際は暴力団事務所として使用していたとされる事件で、詐欺容疑で逮捕された元同社専務森川康博容疑者(67)=神戸市垂水区川原4丁目=が、この部屋に同社関連会社員が入居するという虚偽の「覚書」に署名、押印していたことが兵庫県警の調べでわかった。県警は森川容疑者が部屋を提供した背景を調べる。

 県警暴力団対策課などの調べでは、同じく詐欺容疑で逮捕された暴力団組員三木一郎容疑者(46)=同市中央区熊内町4丁目=は、山口組ナンバー2である若頭の秘書役などを務めている。今回のマンションは、若頭の別宅の南約300メートル先にあった。

 この部屋は89年3月から森川容疑者が賃貸借契約を結んでいた。昨年8月に結んだ賃貸借契約書の「覚書」では、三木容疑者が上組関連会社「上組陸運」の社員と身分を偽ったうえで、森川容疑者の賃貸借契約と同条件で入居するという内容だった。三木容疑者が所有者側にこの覚書を提出。森川容疑者は覚書に押印と署名をしていた。部屋は約100平方メートルで家賃は月約20万円だったという。

 上組は「(森川容疑者は)04年9月に退任して以降、かかわりはまったくなく、当社は事件に一切関与していない。暴力団などの反社会的勢力とのつながりは一切ない」とするコメントを出した。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200806030067.html