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2008年06月03日(火) 17時15分

高島易断被害弁護団が結成オーマイニュース

 6月2日、「高島易断」の霊感商法問題に取り組む弁護士らが都内で会見し、「高島易断霊感商法被害弁護団(以下、弁護団)」の結成を報告した。

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 「高島易断」については、3月に経済産業省が「高島易断総本部(宗教法人幸運乃光)」に業務停止命令(3カ月)を下している。5月には全国霊感商法対策弁護士連絡会(以下、対策弁連)が実施した無料の電話相談会「高島易断110番」に、81件、被害総額1億円以上の相談が寄せられていた。

■被害者は12都道府県に約40人

 対策弁連によると、5月23日に行われた電話相談会「高島易断110番」では、相談者81人のうち約半数が弁護士への依頼を希望した。

 これを受けて6月2日に結成された弁護団は、東京だけで20人の弁護士からなる。被害者は、東京25人、大阪3人など、12都道府県合計で約40人、弁護士は全国で総勢30人程度になる見通しだ。

 弁護団団長の山口広弁護士は、「最近、(高島易断の勧誘の)手口がますます露骨になっている」として、次のように語った。

 「まず、被害者に返金するよう、高島易断の各団体に通知書を出す。(通知に対する返答期限は)1〜2カ月をめどにやってみて、だめなら7月ごろには訴訟に踏み切ることになる。悪質な手口が許されないことを高島易断に知ってもらいたいし、一般消費者にも知ってもらいたい」

■組織的被害に刑事告訴も視野

 弁護団では、詳細不明のものも含めて40近くの「高島易断」団体を把握しているという。2007年に改正された特定商取引法(特商法)施行令では、「占いと併せて行われるいわゆる祈祷等の援助サービス」が規制対象となったため、これらの団体の中には、特商法の定めに準じて「クーリングオフ制度」に関する告知を消費者に行う書面を出すようになったケースもある。

 「しかし、書面にサービス(祈祷など)を提供する期間が明示されていないなど不備がある。また、被害者がクーリングオフを書面で申し出ても無視する業者もおり、法律の趣旨が徹底されていない」(山口弁護士)

 経済産業省によれば、業務停止処分を受けた「高島易断総本部」の鑑定士らはマニュアルに添って教育されており、消費者の不安を煽(あお)り多額のカネを支払わせる手口が組織的に行われていた。このことから、弁護団では詐欺容疑での刑事告訴・告発も含めて検討するとしている。

■大手団体には豊田商事や暴力団との関係も

 山口弁護士によると、東京の被害者25人については「高島易断総本部(幸運乃光)」「高島易断総本部神聖館」に関する被害が目立つという。

 『週刊新潮』や『週刊朝日』の過去の報道によれば、幸運乃光の小澤茂男代表は、とんだ“札付き”の人物だ。

 少なくとも2回の逮捕歴があり(99年・出資法違反容疑、02年・偽計業務妨害容疑)、85年ごろまでは「ペーパー商法」が社会問題化した豊田商事の社員だった。

 91年には、当時「高島易断総本部発真会」を名乗っていた高島易断総本部で祈祷料など4億2000万円の所得隠しが発覚し、東京国税局から追徴処分。93年には『サンデー毎日』で、小澤氏と暴力団・山口組系組織との深いかかわりを報じられた。

 弁護団の受任案件で被害者が多かったもうひとつの団体「高島易断総本部神聖館」は、この小澤氏がかつて所属していた団体。高島龍峰(本名・木村一成)顧問は07年の都知事選にも出馬(無所属・3240票で落選)した人物だが、やはり93年の『サンデー毎日』で、過去の山口組系の組とのかかわりを指摘されている(記事内コメントで龍峰氏は関係を否定)。

 いずれも過去の話とは言え、現在この2団体による被害が特に多いのは、単なる偶然なのだろうか?

■被害弁護団電話相談(無料)
03-3358-6179(毎週月・水・金、午前10時〜午後5時)

(記者:藤倉 善郎/エムプロ)

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