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2008年06月03日(火) 15時52分

オーマイ読者相談室 遅刻癖が治りません〜内田春菊センセイの回答オーマイニュース

(相談)
子どものころからの遅刻癖が治らず、ついに先日彼氏に振られました。これも1つの病気じゃないかと思うのですが、治す方法はありますか? (25歳女性、会社員)

◆内田春菊センセイの回答

 読者投稿の読み物を見ていると、「それ以来なんとかは食べられません」と並んで「これが原因で振られました」というオチがとても多いのです。人に聞かせる話としてはまあいいのかもしれない。ですが、その経験者の個人的な問題に向き合うとき、それで済ませていいわけないよなと普段から考えていました。

 自覚せざるを得ない症状としては、遅刻が浮上しているのでしょうが、ではなぜ遅刻をしてしまうのか?

 私も決して時間に正確な方ではないので言うのですが、あからさまに気が重い用事ではなく、パーティーやデートなど、「行けば楽しいのはわかってる」ことでも、あれこれとまだ起こってもいないことが頭に浮かんでは消え、それに伴い、なんだかんだ手間取ることが出来てきて、結局遅刻してしまうのではないでしょうか?

 だとしたらそれは、時間にルーズだというより、「プレッシャーに弱い」のが原因なのではないでしょうか。

 ではどうすればいいのか。

 頭に浮かぶあれこれを、気が済むまでシミュレーションする(出発直前ではなくだいぶ前から、ちゃんとそのために時間を取って)。

 自分の頭の中だけでやると、パンパンになって苦しいかもしれないので、

 「こうなったら心配なんだけどどうすればいいかな?」

と友人に相談する(その際、「そんなことが心配なわけ?」と馬鹿にされたらそんな人は友人ではないので、友人のジャンルからはずしましょう)。

 あとは、慣れるしかありません。いろんなケースにも、そんな自分にも。

 だいぶ前のことですが、南伸坊さんと対談のお約束をしたら、たいした遅刻ではなかったのですが、伸坊さんが遅れていらした。そのときに、

 「いやー、遅れてすいません。考えが甘くて」

とおっしゃったのが素晴らしくて、その後自分でもたまに使ってます。言うニュアンスや人柄がもちろん大切なのでしょうが、表現としてこれ以上的確な言い訳はないと思いました。

◆同じ相談への森永卓郎センセイの回答は「 平均遅刻時間プラス10分早く出発して

プロフィール
内田春菊[うちだ・しゅんぎく] 漫画家、小説家、エッセイスト、女優
1959年生まれ、長崎県出身。1984年に4コマ漫画で漫画家デビュー。93年に小説家デビュー作の『ファザーファッカー』で直木賞候補。漫画の代表作に『南くんの恋人』『水物語』『目を閉じて抱いて』、小説の代表作に『キオミ』『私の中に答えはあるか』『ぬけぬけと男でいよう』、エッセイに『作家は編集者と寝るべきか』『教育してます?』など。

(OhmyNews編集部)

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