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2008年06月03日(火) 11時44分

JR高松駅に自動改札機導入オーマイニュース

 JR高松駅に自動改札機が導入され、6月1日始発から運用がスタートしました。各地から高松を訪れる人や、また高松から各地へ向かう人たちが乗降時にスルッと通行するシーンがありました。

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 岡山からやって来た人は岡山では先行導入されていることもあり、慣れているという声もありました。一方で、裏面、磁気のない定期券や車内販売の乗車券、それに高徳線ではワンマン運転での便は乗車時に受け取る整理券は読み取らないため、担当の駅員がハンドマイクで精算窓口へ誘導するなど、対応に追われていました。

 車内販売で乗車券を買ったと言う乗客の一人は、

 「間違えて入れてしまって、心臓が躍りそうになりました。自動改札導入はニュースで知りました。ミスはしましたが、スムーズに通れるようになり便利になりましたね」

と話し、高松駅のスタッフは、

 「同時に新幹線や特急、快速マリンライナーの自由席や指定席券の事前予約も券売機でできるようになり、もちろん自動改札にも対応しています。便利になりましたのでよろしくお願いいたします」

 この設備はJR四国が約2億円をかけて、高松をはじめ各駅の券売機の改修を含めてのもの。管内では今春、高架駅としてリニューアルと同時に設けられた高知駅に続いて2駅目。8つの改札ブースのうちの7つ、車いすも入れるようにバリアフリーも施しています。

■時代相応に非接触ICを導入すべきでは?

 JR発足から20年が過ぎ、今回の高松駅の導入で各社の本社所在地の駅はすべて導入されることになります。

 JR 四国が最後のトリとなった理由としては、グループ他社、特に本州3社に比べ経営体質が弱いことが挙げられます。これは北海道、九州の各社にも言えることです。それに自社線を持つ瀬戸大橋開通後、明石海峡、しまなみ海道が開通して3橋時代、そして四国内のハイウェーも整備され、高速バスの路線も充実、四国、本州各地へ行く手段もマイカーを含めて選択肢が増えたこと、さらには高速バスの関西・東海・関東方面に向かう便の「明石シフト」も一因とされます。

 明石シフトが一段落して2005年度から3年連続で瀬戸大橋線の利用が増えているとはいえ、本州方面へは高速バス事業を展開する子会社が好調で、鉄道はいわば“おんぶにだっこ”が現状です。さらに高齢化時代も見据えて、サービス充実を重視してのことが垣間(かいま)見えます。

 その自動改札、記者は時代相応にICカードを導入していくべきではなかったかと思います。というのも、香川県内ではことでんが非接触ICカード「IruCa」を導入していますが、これを提案したのが民事再生の助っ人として送り込まれたJR四国の幹部社員。ことでんと共通利用できるようにしてほしいという声もあるし、記者もIruCaはもちろん、関西へ出掛ける際にとスルッとKANSAI対応のPiTaPaカード(JR西日本でも使える)も持っている。ノウハウを生かせなかったのはどうしてか。

 それに関して、本社に鉄道企画室を新設するとともに、まずは高松駅での自動改札の状況を見て、検討していくそうです。企業の論理にとらわれず、利用者の声を迅速に反映していただくことを願うばかりです。

(記者:笠井 隆宏)

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