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2008年06月02日(月) 21時56分

<新銀行東京>1016億円減資…累積赤字一掃へ毎日新聞

 経営再建中の新銀行東京(東京都新宿区)は2日、08年3月期の決算発表で、資本金などを取り崩して1016億円に及ぶ累積赤字を一気に解消する減資を行う方針を明らかにした。6月末の株主総会に減資の決議案を提案する。当初の資本金などは民間企業の出資分を含め1189億円で、都は84.1%(1000億円)を出資。棄損額は出資比率で決まるため、東京都出資分では850億円程度が失われる見通しだ。

 会見した津島隆一代表執行役によると、08年3月期の新銀行の純資産は165億円まで減少。新銀行は4月末に都から400億円の追加出資を受けたため、減資後の資本金などは565億円となる。

 08年3月期の最終(当期)赤字は167億円で、3月に公表した見通し額と同じだった。昨年6月から縮小均衡路線に転じ、本業のもうけを示す業務純益は20億円の赤字と、前年同期比186億円の改善となった。増資後の自己資本比率は40%台に回復したというが、融資先の焦げ付きが続いており、09年3月期も126億円の最終赤字を予想。今月中に弁護士や公認会計士ら専門家3人でつくる経営監視委員会も新設する。

 また、津島代表執行役は、既に名乗り出ている近畿産業信用組合(大阪市)のほか、外資を含め2〜3社から資本提携や買収の申し入れがあることを明らかにした。【木村健二】

 ◇減資

 会社の資本金を減らすこと。多額の損失を一気に解消するため、増資とセットで行われることが多い。新銀行東京の場合、資本金の額に応じて課税される法人事業税などの負担を減らしてスリム化し、他の金融機関との提携交渉を有利に運ぶ狙いもある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080602-00000114-mai-soci