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2008年06月02日(月) 22時46分

デンマーク大使館狙い自爆テロ、8人死亡 パキスタン朝日新聞

 【グワダル(パキスタン南部)=四倉幹木】パキスタンの首都イスラマバードで2日、デンマーク大使館の周辺で爆発が起き、警察官2人を含む8人が死亡、24人以上が負傷した。現地警察はテロ攻撃の予告が数回あったとしており、同大使館を狙った自爆テロと断定。パキスタン外務省はデンマークの新聞が2月、イスラム教の預言者ムハンマドを描いた風刺漫画を再び掲載したことへの報復テロとみている。

 目撃者によると、同大使館前の路上に車が止まり、大使館を警護する警察官が車を調べようとした途端に爆発した。大使館を取り囲む壁が崩れ、建物の壁にも被害が出たほか、向かいの国連開発計画(UNDP)の関連施設も大きな被害を受けた。負傷者にはブラジル人女性1人が含まれているという。現場は大使館や外交官の居宅が集まる地域で、3月に爆弾テロで日本人記者2人がけがをしたイタリア料理店とも近い。

 現地警察などによると、同大使館は風刺画に絡んだ脅迫を電話で何度も受けていたとして、デンマーク人の職員を国外へ退去させていた。政府にも同大使館を閉鎖するよう脅迫が何度もあり、警察が周辺の警戒を強めていた。

 ムハンマドの風刺画をめぐっては、05年9月にデンマークの保守系新聞が掲載したのをきっかけに世界のイスラム教徒の反発を招き、06年にはシリアのデンマーク大使館が投石、放火されるなどの混乱が起きていた。今年に入ってこの風刺画の作者の殺害計画が発覚、「報道の自由」へのテロ行為と反発した17紙が同じ風刺画を掲載し、再び緊張が高まっていた。

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http://www.asahi.com/international/update/0602/TKY200806020258.html