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2008年06月02日(月) 22時36分

野村証券元社員ら起訴 インサイダー利益1369万円朝日新聞

 野村証券の元社員らによるインサイダー取引事件で、東京地検特捜部は2日、4銘柄の株を不正に買い付けたとして、中国人社員だったレイ瑜(ゆ)=レイはがんだれに萬=容疑者(30)と知人の蘇春光(そ・しゅんこう)容疑者(37)を証券取引法(金融商品取引法)違反の罪で起訴した。起訴分の不正な利益は計1369万円だったが、不正が疑われる取引による利益の総額は約4200万円になるという。

 調べでは、レイ容疑者は、野村証券で企業合併・買収(M&A)の提案などを担当する企業情報部に所属。07年3月、製薬大手「エーザイ」が子会社の診断薬メーカー「三光純薬」と株式交換することを公表前に知り、蘇容疑者に伝えて計8千株を約259万円で買い付けた。また、臨床試験支援会社「サイトサポート・インスティテュート」による株式交換の事実を知り、計2千株を約190万円で買い付けた。2人で共謀して売り抜けた利益は計約185万円だという。

 一方、蘇容疑者はレイ容疑者から知らされた公表前のM&Aの情報をもとに、「三光純薬」のほか半導体関連会社「富士通デバイス」、飲料メーカー「アサヒ飲料」の株をそれぞれ独自に買い付け、計1184万円の不正な利益を得ていた。

 同じ容疑で逮捕されたが、関与が従属的として処分保留のまま釈放されていた蘇容疑者の弟の大学生(25)については、特捜部は2日付で起訴猶予処分にした。

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