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2008年06月02日(月) 13時14分

温室効果ガス削減、サミット前に「中期目標」 福田首相朝日新聞

 【ベルリン=内田晃、金井和之】福田首相は1日夕(日本時間2日未明)、ドイツのメルケル首相と独首相府で会談した後の共同記者会見で、7月の北海道洞爺湖サミット前に、20〜30年時点での日本の温室効果ガス削減をめぐる「中期目標」についての基本姿勢を明らかにする考えを示した。

 首相は会見で「サミット前に明確な方針を明らかにしたい。具体的な内容は検討中だが、長期目標とか中期目標の考え方もその中に含まれる」と述べ、低炭素社会に転換するため日本として何らかの道筋を示す意向を表明した。ただ、数値目標を示すかどうかには言及しなかった。

 政府は50年時点の長期目標については「現状より60〜80%削減」とする方向で調整中。一方で中期目標については早期の提示に慎重だ。民主党は5月にまとめた地球温暖化対策基本法案の骨子で、20年までに1990年比で25%超削減するとの中期目標を掲げている。

 福田首相は1月のダボス会議で、世界全体で50年に半減させる長期目標に加え、今後10〜20年間で排出量を減少に転じる「ピークアウト」を実現する方策の検討を表明。中期目標として日本が国別総量目標を掲げる考えも示していたが、その時期などについては触れていなかった。

 メルケル首相との会談では、「50年半減」の長期目標を「真剣に検討する」とした昨年6月の独ハイリゲンダム・サミットの合意の前進のため協力することを確認。長期目標について先進国だけでなく、中国、インドなどに協調を求める考えで一致した。

 また食糧問題では、高騰の一因とされるバイオ燃料の大量生産について「バイオエネルギーと食糧が競合する問題であってはならない」との認識で一致した。

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