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2008年06月02日(月) 11時59分

橋下知事、初の団交出席 職員「私たち悪いことした?」朝日新聞

 「私たち、何か悪いことをしたでしょうか」——。大阪府の352億円にのぼる大幅な人件費削減案をめぐり、橋下徹知事は2日、職員労組との初めての団体交渉に臨んだ。職員からは切実な訴えが相次いだが、橋下知事は「今回は緊急避難的にやむを得ない」と理解を求めた。

職員労組との団交に臨む橋下知事=2日午前、大阪府庁、矢木隆晴撮影

職員労組との団交に臨む橋下知事(中央)=2日午前、大阪府庁、矢木隆晴撮影

 橋下知事は午前中、府労働組合連合会(新居晴幸委員長、約1万8千人)との交渉に20分余り出席し、職員の生の声を聞いた。

 組合側は4人の職員が暮らしの厳しさを訴えた。大学、高校、小学生の4人の子どもがいる男性職員(42)は「この子たちを育てていけるか不安でいっぱい」と将来の展望が見えない不安を語った。

 今年度で定年退職を迎えるという別の男性職員は、退職金が今年度から5%削減されることを「後出しじゃんけん」と批判。「42年間、私なりに前向きに仕事をしてきた。最後のしっぺ返しがこれかと。後出しじゃんけんが悪いことは子どもでもわかりますよ」と怒りをぶつけた。

 うなずきながら耳を傾けていた橋下知事は「改革のスピードを緩めるのは簡単だが、集中改革期間の3年で必ず展望が見える」と協力を要請。さらに「公務員制度は給料も人員も硬直的すぎる。制度を抜本的に見直さないと自治体運営はできない」と述べ、今後、人事制度の見直しについて協議したいと提案した。

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