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2008年06月02日(月) 11時53分

豪国防相、日本との安全保障協力の強化示す朝日新聞

 【シンガポール=杉井昭仁】オーストラリアのフィッツギボン国防相は1日、朝日新聞記者とシンガポールで会見し、「我々はアジア太平洋地域を非常に重視しており、日本は核となるパートナーだ。戦略的な協力を拡大していきたい」と述べ、人道支援での協力、テロや大量破壊兵器を巡る情報交換など安全保障面での協力強化をさらに進める考えを表明した。

 日豪両国はハワード前政権時代の07年3月、安全保障面での協力を強化する共同宣言に署名した。国防相は「同じ民主主義国である日本との協力は極めて重要だ」と指摘。ラッド現政権でも、共同宣言を受けて始まった外務・防衛閣僚協議(2プラス2)などを通じ、安保面での関係強化を進める姿勢は変わらないことを強調した。

 また「我々の協力関係は初期の段階にある」とし、共同宣言の実施に向け、今年末までに、より詳細な計画をまとめたいと述べた。この点については、31日の石破防衛相との会談で、豪州軍と自衛隊の連携による国際平和協力活動の具体化に向け、後方支援に関する作業部会の設置で合意している。

 ラッド首相は選挙公約通り、イラクから豪戦闘部隊約500人を撤収した。国防相は「近隣での突発事態に対応する部隊が本国に必要という事情もある」と説明した。今後はイラク周辺での偵察飛行や海上航路の確保などの活動を続けつつ、人道面での支援、農業や産業振興での支援で治安状況の改善につなげたい考えを示した。

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http://www.asahi.com/international/update/0602/TKY200806020103.html