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2008年06月02日(月) 13時50分

看板ガンガン!「北京への切符をつかめ!!」オーマイニュース

 5月31日、宮崎県延岡市の西階(にししな)陸上競技場で「第19回ゴールデンゲームズinのべおか」(主催:宮崎陸上競技協会、ゴールデンゲームズ inのべおか実行委員会)が行われた。陸上競技の中長距離大会として知られる大会で、今年は北京オリンピックを控え、男女の800メートルと1500メートルには、2007年の日本ランキング10位以内の選手が多数エントリーした。

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 この大会は、選手と観客との距離が近く、トラックを囲むようにしてスポンサーの看板が置かれている。観客はその看板をガンガンたたいて応援するというヨーロッパ式のスタイルが特長になっている。

 「この看板をたたいて選手たちを応援するのが好きで、家族で毎年やってきます」(50代男性)、「こんな間近で選手たちの様子を観ることはよそではないでしょう」(40代女性)と話すように、国内有数の大会ながら地元民にも喜ばれるスポーツイベントしてすっかり定着した。

 会場への実況中継を行うのは旭化成陸上部顧問の宗茂氏。選手たちへの応援が足りないと、「第1コーナー、応援が足りないよ。もっとガンガンたたいて!」と観客にも檄(げき)が飛ぶ。まるで、陸上競技のライブショーのようである。この観客による応援が選手たちを勇気づけるせいか、この大会は好記録が出やすい。

 小学生および中学生の競技から始まり、メインとなる決勝競技は午後7時のナイターで行われた。南国・宮崎で行われる夜のレースは、気温が20度前後まで下がり、絶好のコンディションとなる。

 男子1500メートルには、日本記録保持者の小林史和選手(NTN)、今季好調な渡辺和也選手(山陽特殊製鋼)、田子康宏選手(中国電力)らが登場。観客の看板ガンガンの応援を受けた選手たちは力走した。宗茂氏の「みなさんの応援のおかげで、良い記録が出たようです!」に、会場はざわついた。

 優勝したのは、渡辺和也選手。日本歴代2位となる3分38秒11の大会新記録で、北京五輪参加標準記録Bを突破した。2位の小林史和選手も、3分 38秒53の2位でB標準をクリアした。会場には温かい拍手が響いた。

 一方女子では、800メートルにアテネ五輪代表で日本記録を持つ佐藤美保選手(ナチュリル)が、2分4秒10の大会新で優勝した。2位に入った陣内綾子選手(佐賀大学)も大会新をマークした。

 全27種目、660人を超える選手たちが、観客の応援に支えながら走り抜けていった。

 同日、アメリカでは、男子100メートルでウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)が、9秒72の世界新記録を樹立した。北京オリンピックへ向け、うれしいニュースである。

 さて、中長距離界でも、次代を担う新しい選手たちが、この「ゴールデンゲームズinのべおか」から誕生してほしいものである。

(記者:大谷 憲史)

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