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2008年06月02日(月) 03時04分

南米植林事業で排出枠取得、独立行政法人が国連申請へ読売新聞

 独立行政法人・国際農林水産業研究センターは、南米パラグアイで進めている植林事業について、温室効果ガスの排出枠として認めるよう、今秋にも国連に申請する。

 事前審査で高い評価を得ており、早ければ年内にも国連の認証が得られる見通しという。

 植林で排出枠を取得する事例は世界でもまだ1例しかなく、実現すれば、日本の事業者としては初の事例となる。

 同センターは途上国への農業技術支援などを手がけており、今回の植林事業はパラグアイ南部の258ヘクタールで実施している。温室効果ガスの吸収量は、07年からの20年間で年平均6000トンを計画している。これは、日本の1000世帯の年間排出量を超える規模だ。

 京都議定書が定めた「クリーン開発メカニズム(CDM)」での排出枠取得を目指し、三菱UFJ証券の助言を受けながら、第三者機関の事前審査を受けている。

 植林は樹木の成長に時間がかかるため、温室効果ガスの吸収量算定が難しい。途上国では植林地の権利関係が不明確なこともあり、認証を得るのは極めて難しいとされている。

 同センターは2004年から地元住民と協力して土壌の改善事業に取り組んでおり、約200戸の地権関係を特定した。排出枠の販売収入を地域の貧困対策に活用する構想だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080601-00000044-yom-soci