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2008年06月01日(日) 01時22分

加賀・山代温泉のしにせ旅館「山下家」が再生法申請朝日新聞

 加賀藩主の湯治場をルーツに、大正時代に芸術家の北大路魯山人が泊まった宿として知られる石川県加賀市山代温泉のしにせ旅館「山下家」が民事再生法の適用を金沢地裁に申請し、30日に保全命令を受けた。同社代理人によると、負債総額は35億7600万円。同社は「観光客減に、能登半島地震の風評被害や物価高が拍車をかけた」としている。営業は継続する。

民事再生法を申請した山代温泉のしにせ旅館山下家=加賀市山代温泉

 帝国データバンク金沢支店によると、山下家は63年に法人化した後、70年代から大規模な設備投資を図ったが、バブル崩壊後の集客の伸び悩みなどで収益と資金繰りが悪化していた。

 山下家の説明では、05年まで年約8万人の来客があったが06年、07年と1万人ずつ減り続け、今年2〜4月はさらに昨年同期の6割にまで落ち込んだ。原油高などで経費も膨らみ、金融機関からの借入金の金利負担に耐えきれなくなったという。

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