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2008年06月01日(日) 18時22分

日航、過去の遺品扱いを謝罪 御巣鷹事故、遺族に文書朝日新聞

 520人が死亡したジャンボ機墜落事故(85年)の犠牲者の遺品の取り扱いについて、日本航空は先月末、「過去の対応が不適切で、不快の念を与えたことをお詫(わ)びします」とする専務名の文書を、400人近い遺族に送った。

遺品として保管されている墜落時の衝撃で折れ曲がったカギ

 遺品は墜落した時刻で止まったままの時計や衣服など約2700点あり、所有者が分からぬまま日航の施設に保管されている。過去に日航が「多数の遺族の要望」として焼却処分の方針を打ち出したことに遺族が強く反発、保存を続けてきた経緯がある。

 日航は昨夏、時計やカギなど遺品の一部を、事故機の残骸(ざんがい)がある同社の安全啓発センター(東京都大田区)に展示する方針を発表、遺族と話し合いを続けている。その席でも、遺族から過去の対応への批判や日航の責任を問う声があった。

 文書では「悲しみの底に突き落とされた皆様のお気持ちへの配慮が足りず、傷つけたことが、遺品の話し合いが進展しなかった要因」とした。

 文書は展示への理解も求めた。遺族でつくる8・12連絡会の美谷島邦子事務局長は「安全を求める思いは日航も我々も同じ。今年の8月12日までに展示して欲しい」と話す。

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http://www.asahi.com/national/update/0601/TKY200806010111.html