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2008年05月31日(土) 00時00分

IXI、粉飾決算直前に15億円の循環取引朝日新聞

 大阪市のソフトウエア開発会社「アイ・エックス・アイ」(IXI)前社長の嶋田博一容疑者(49)ら逮捕された元経営陣らが、逮捕容疑の粉飾をした03年3月期の決算の直前、帳簿上で約15億円以上の売り上げ計上が可能な架空の循環取引をしたことが大阪地検特捜部の調べでわかった。この期の不正な水増し額の大半を占めるとみられる。ちょうど同社が新興証券市場から東証2部へのくら替え上場を狙っていた時期とされ、特捜部は嶋田前社長が上場実現に向け、売上高を一気にかさ上げしようと不正を指示したとみて調べている。

 嶋田前社長らはIT関連企業間で循環取引を繰り返して架空の売り上げを計上し、03年3月期の有価証券報告書に連結売上高を約17億円以上水増しするなど虚偽の実績を記載・提出したとされる証券取引法違反の疑いで逮捕された。元常務の吉川良昌容疑者(51)は「前社長の指示だった」と供述しているという。

 調べによると、吉川元常務は03年初め、元取締役の桑山隆容疑者(46)に「3月で売り上げをたてたいから、IXIの商品を買って指定通り転売してくれる会社を探してほしい」と指示。桑山元取締役は複数の販売先を見つけて取引に成功し、約15億円以上を売り上げた。商品の現物はなく、見かけ上だけの循環取引だったとされる。

 03年3月期の売上高は前年比約30億円増の55億円を達成した。04年3月にはこうした偽りの業績をもとに公募増資を実施し、一般投資家らから23億円を調達。東証2部への上場を果たしたという。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805300111.html