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2008年05月30日(金) 00時00分

国宝の盧舎那仏坐像、修理で顔すっきり 唐招提寺朝日新聞

 奈良・唐招提寺の国宝三尊の一つで、両ほおの金箔(きんぱく)のはがれが痛々しかった盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう=8世紀、高さ3.04メートル)が、修理作業で顔のツヤを取り戻した。「日焼けで皮がはがれたような顔がすっきりした」と寺関係者。31日から、三尊の残り2体とともに同寺の仏像修理所で一般公開される。6月8日まで。

顔に湿布をしたように金箔の跡が残っていた盧舎那仏坐像=07年5月29日、奈良市の唐招提寺 目立っていた金箔のひび割れを黒色の顔料で化粧し、すっきりした国宝・盧舎那仏坐像=30日午後、奈良市の唐招提寺、荒井昌明撮影

 盧舎那仏坐像は「天平の甍(いらか)」で知られる金堂(国宝)の解体修理に合わせて修理所に移された。江戸時代の修理の際に加えられた金箔のひび割れが目立っていたが、昨春以降、細筆を使って黒色の顔料で化粧を施した。さらに、胴体部分も漆を除去し、新たに塗り直すなどして本来の美しい姿に再生させた。

 ほかに公開されるのは、千手観音立像(8世紀、高さ5.3メートル)と薬師如来立像(8世紀末〜9世紀初め、高さ3.7メートル)。期間中、国宝の鑑真和上坐像を安置した御影堂も特別拝観できる。

http://www.asahi.com/kansai/entertainment/news/OSK200805300105.html