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2008年05月30日(金) 20時37分

北朝鮮「核廃棄に核兵器は含まず」 米の元特使が明かす朝日新聞

 北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官らが4月、訪朝した米国のプリチャード元朝鮮半島和平協議担当特使に対し「非核化の第3段階で放棄するのはプルトニウム関連施設だけで、核兵器は含まない」との考えを示したと、元特使が29日、ワシントンでの会合で明らかにした。

 発言には、放棄対象を、無能力化作業が進む原子炉など寧辺の3施設に限定する思惑があると見られる。元特使は、北朝鮮が見返りに軽水炉提供を求めると指摘した。

 一方、6者協議の米首席代表、ヒル国務次官補は30日、モスクワでロシア首席代表のボロダフキン外務次官と会談。ヒル氏は、「北朝鮮は核計画の申告の準備が出来つつある」と記者団に語った。ボロダフキン氏は北朝鮮への重油支援の2度目のロシア負担分の提供を「6月初めまでに完了させたい」と述べた。

 また、金氏と韓国首席代表の金塾(キム・スク)・朝鮮半島平和交渉本部長は同日、北京で核問題について意見交換した。韓国新政権発足後、南北朝鮮の政府間協議は初めて。(鵜飼啓)

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