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2008年05月30日(金) 19時00分

暴力団組長、米で肝移植 「情報提供と引き換え」と米紙朝日新聞

 【ロサンゼルス=堀内隆】米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は30日、山口組系暴力団「後藤組」の後藤忠正組長がC型肝炎を患っていた01年、カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)の付属病院で肝移植を受けていたと報じた。後藤組長は当時、米入国を禁じられていたが、米連邦捜査局(FBI)が情報提供と引き換えにビザ発給を手助けしたと伝えている。

 同紙によると、米国では外国人や犯罪歴がある患者への移植を禁じる規定はないが、報道は後藤組長が01年5月に渡米してわずか2カ月後に移植手術を受けた一方で、同時期に同病院の待機リストに載っていた患者のうち、3年以内に移植を受けられた人が34%にとどまっていたと指摘。執刀医が後に訪日して後藤組長の診察を行っていたことにも触れ、扱いの公平性に疑問を投げかけた。

 UCLAは「臓器移植機関ネットワークが定めるガイドラインを順守しており、移植患者の評価は米国人でも外国人でも同じ」との声明を出したが、後藤組長の手術を行ったかどうかはプライバシーを理由に明らかにしなかった。

 捜査当局筋の情報として同紙が報じたところによると、ビザ発給は、米国内での日本の暴力団の活動実態についての情報を提供することと引き換えだったという。また、00年から04年にかけて、後藤組長のほかに3人の日本人がUCLAで肝移植を受けた。3人ともその後、犯罪歴や犯罪組織との関係を理由に米国入国を禁じられた。

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http://www.asahi.com/national/update/0530/TKY200805300263.html