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2008年05月30日(金) 14時43分

IXI架空循環取引事件 元幹部が不正指示書をメール産経新聞

 東証2部に上場していた情報システム会社「アイ・エックス・アイ(IXI)」(大阪市、民事再生手続き中)の架空循環取引事件で、同社元幹部が取引にかかわった企業に対し、架空商品の仕入れ額や売却額を具体的に示す「指示書」を電子メールで送っていたことが30日、わかった。大阪地検特捜部はIXIが不正取引を主導していたとみて全容解明を急いでいる。

 IXI管財人によると、指示書は「商流ファイル」という名のエクセルファイルで、メールで送付されていた。同社元役員の桑山隆容疑者(46)=証券取引法違反容疑で逮捕=らが作成。平成15年3月ごろから18年12月までの間のファイル数は約700件に及んでいるという。

 指示書はIXIが取引の起点か終点かなどの違いで3種類あった。「IXIから金額6300万円で商品を仕入れてください。貴社は6460万円でA社へ売ってください」「貴社はA社から3985万円で仕入れ、IXIに4115万円で売ってください」などと仕入れ金額や転売先への売却金額などを細部まで具体的に指示していた。

 これらのファイルの内容をたどると、架空の商品の取引が成立する。関係者はファイルが際限なく増えることから「アメーバファイル」と呼んでいたという。
 管財人は「循環取引は複雑に入り組んでいる。アメーバファイルの全体像を解明するのに約1年かかった」と話している。

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