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2008年05月30日(金) 16時09分

中国の手抜き工事 ネットで実態暴露産経新聞

 【上海=前田徹】四川大地震で倒壊が目立った小中学校校舎などの手抜き工事がクローズアップされる中、手抜きについての証言がネットで紹介されている。中国当局は被災状況についてオープンな姿勢を保ってきたが、手抜きへの追及が政府批判に拡大するのを恐れたためか、その後、追及報道は差し控えられていた。ネットはその合間をかいくぐった格好だ。

 特に注目されている証言は、「天涯」と名付けられたブログに登場した「北川劉漢希望小学校はなぜ倒壊しなかったか」。周辺建物がすべて倒壊したが奇跡的に残った同小について、10年前に建設した現場監督の所在を突き止め、手抜きがなぜ行われなかったかをインタビュー。逆に他の工事で手抜きが慣例になっていたことを浮き彫りにしている。

 それによると、希望小学校は企業や篤志家の寄付で建設されたが、この監督は請負業者ではなく寄付企業から派遣された。これが地方ではびこる公共工事の手抜きのメカニズムから逃れる一歩となった。

 請負業者が公共工事を行う場合は、セメントに大量の土や石を混ぜることで強度を犠牲にし、工事費を安くあげる行為が横行。工費費の一部を地方政府担当者が着服し、その結果、業者が材料費を節約する悪循環に陥っているという。

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特集「中国・四川大地震」

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