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2008年05月30日(金) 16時15分

「自分の分岐点に」 小出恵介さん「僕の彼女はサイボーグ」朝日新聞

 日本でも大ヒットした韓国映画「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」のクァク・ジェヨン監督が、日本人俳優をキャストに日本で撮影した新作「僕の彼女はサイボーグ」が、31日に公開される。綾瀬はるかとともに主役を演じた小出恵介は「大変な現場だったが、刺激的だった。自分の分岐点になる作品」と振り返った。

俳優の小出恵介さん=東京・六本木で、東川哲也撮影

 クァク監督の作品は気が強く大胆な彼女と、少し気弱な男の子の恋物語が特徴。今回は彼女を未来からやってくるサイボーグに設定し、SFファンタジーの要素と派手なアクションをふんだんに盛り込んだ。

 外国人監督のもとで演じたのは初めて。クァク監督の代表的な作品は見ていたものの、韓国には行ったこともなかった。「なんだか不思議な気分。期待が8割、不安が2割だった」

 実際に撮影が始まると「戦場のような現場」に。監督はひらめいたアイデアを直ちに実行に移す「直行型」。スタッフもキャストもほとんどが日本人の中で、ひとり韓国語で大声を出し、体全体を使って指示する姿は「怖い存在」だった。求められる演技やアクションのレベルもどんどん厳しくなった。

 一方で、いつも俳優やスタッフたちと食事を共にし、妻手製のキムチをふるまう姿に、日本とは違う温かさを感じた。夜は一緒に焼酎を酌み交わすことも。「終わってしまうと物足りなさを感じる、それくらい濃い現場でした」

 同映画は北海道夕張市の財政破綻(はたん)で中止され、今年3月に復活した「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」のオープニングも飾った。

 撮影を通じて、隣国への親近感もぐっと増した。7月にファンと一緒に初めて韓国を訪れることも決まった。

 「とにかく、エネルギーがすごい。いまは片足だけ突っ込んだ感じなので、今度は韓国で向こうのスタッフに囲まれてやってみたい」(貝瀬秋彦)

http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200805300223.html