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2008年05月29日(木) 00時00分

収容中国人に入管職員が暴行と認定 大阪高裁で逆転判決朝日新聞

 法務省・西日本入国管理センター(大阪府茨木市)に不法入国で収容された際、入管職員の暴行で大けがをしたとして、中国人男性(50)が国に405万円の賠償を求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁は29日、男性の訴えを棄却した06年5月の一審・大阪地裁判決を変更し、国に58万円の支払いを命じる逆転判決を言い渡した。島田清次郎裁判長は「制圧の範囲を超える行為があった」と認定した。

 判決などによると、男性は96年、中国残留孤児の親族と偽って入国。しかし、大阪入国管理局の調査で虚偽と判明し、02年に入管センターに収容された。2カ月後、家族に電話をかけたいとセンター側に申し出たが、希望する時間を過ぎても職員が呼びに来ないとして収容室で騒ぎ、駆けつけた職員数人から床に押さえつけられて足でけられ、胸や腰の骨が折れた。判決は「男性は小柄なうえに素手。骨折するほど強力な制圧をする必要性はまったくなかった」と指摘した。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805290085.html