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2008年05月29日(木) 16時18分

IXI前社長らを粉飾決算容疑で逮捕 大阪地検特捜部朝日新聞

 東証2部に上場していた大阪市のソフトウエア開発会社「アイ・エックス・アイ」(IXI)=清算手続き中=が架空の循環取引で売り上げを水増しする手口で決算を粉飾した疑いが強まり、大阪地検特捜部は29日、前社長の嶋田博一容疑者(49)ら4人を証券取引法(現・金融商品取引法)違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕した。証券取引等監視委員会と合同で前社長宅なども家宅捜索した。

 ほかに逮捕されたのは元常務吉川良昌容疑者(51)、元取締役桑山隆容疑者(46)、元執行役員尾形淳二容疑者(44)の3人。調べでは、嶋田前社長らはIT関連企業との間で帳簿上の商品売買を繰り返して架空の売り上げを計上し、03年3月期の有価証券報告書に実際より売上高を約17億円以上、純利益を12億円余り水増しするなど虚偽の実績を記載。同年6月、近畿財務局に提出した疑い。

 IXIの各年3月期の有価証券報告書によると、売上高は02年25億円▽03年55億円▽04年113億円▽05年175億円▽06年401億円と記載され、急成長を果たしたように見える。

 しかし、同社の管財人弁護士らによると、前社長らは01年ごろから循環取引を開始。取引が破綻(は・たん)する06年末ごろまでには、IT関連企業約20社を巻き込む状態に拡大した。02年3月期以降の売上総額約1205億円のうち、98%にあたる約1182億円が循環取引によるものと疑われるという。

 特捜部は、IXIが株式上場を狙って決算を粉飾したとみて調べている。循環取引が肥大化したのは、かかわった他社が、売上増や転売時の差益を期待し、商品が実在するかなどをチェックせずに取引を繰り返したことも一因だったとみている。

 民間信用調査会社などによると、IXIは89年設立。当初はソフト開発やシステム関連のコンサルティング業務で業績を伸ばし、02年3月に新興企業向け市場の大証ナスダック・ジャパン(現ヘラクレス)に上場した後、04年3月に東証2部に上場した。架空循環取引が発覚し、昨年1月、大阪地裁に民事再生法適用を申請した。

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