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2008年05月29日(木) 00時00分

松江のホテル付近で異臭、微量の硫化水素を検知朝日新聞

 松江市朝日町のホテル「東横イン松江駅前」付近で28日午後3時10分ごろ、「異臭がする」と付近の人から松江保健所に連絡があった。松江市消防本部の隊員が駆けつけ、付近の地上の空気を調べたところ微量の硫化水素を検知した。汚水除去作業をしていたホテルの地下の部屋が発生源とみられ、中和剤を投入する処理作業が29日午前も続いている。

 島根県警などによると、ホテルの地下は四つの部屋に区切られ、貯水タンクや排水ポンプ、配管などがある。28日午後1時ごろ、部屋の床にたまった汚水を抜くため作業員が壁に穴を開け、地上にあがった。その後、異臭がしたという。

 ホテルの隣のビルで勤務していた女性(38)ら男女計8人が気分が悪くなって病院で治療を受けた。いずれも軽症という。

 県警や消防は付近の住民に屋外に出ないよう指示を出し、ホテルの宿泊客12人と従業員4人が近くのホテルなどに避難した。29日もホテルや隣接のビルは立ち入り禁止で、JR松江駅前の県道も約200メートルにわたって通行が一部規制されている。

 同市消防本部によると、28日はホテル玄関前の排水溝付近の硫化水素の濃度は0.4〜0.5ppmだった。硫化水素は1000ppm以上で即死状態になるとされるが、地下の部屋の濃度は一時約2000ppmに達した。29日早朝には約700ppmまで下がった。

http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200805290028.html