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2008年05月29日(木) 20時29分

人権擁護法案、新素案にも異論相次ぐ 自民党朝日新聞

 自民党の人権問題等調査会(太田誠一会長)は29日、人権侵害に対する救済制度を定める人権擁護法案の新素案について議論を始めた。素案の方向性を支持する声が出る一方、法案そのものを不要とする反対論もあり、引き続き意見集約を図ることになった。

 素案は「話し合い解決等による人権救済法」との名称。会合では、年明けから調査会で続けてきた論点整理に沿った内容であることから、「手直しする部分はあるかもしれないが、基本的に賛成」(加藤紘一・元幹事長)、「これまでの論点を吸収して改善した点は評価できる」(中谷元・元防衛庁長官)といった声が上がった。

 一方で、若手を中心に「何のために法をつくるのかいまだにわからない」(稲田朋美衆院議員)、「個別法の救済制度が不十分なら改善していけばいい。新法ではなく現行法の改正から議論すべきだ」(近江屋信広衆院議員)と異論が相次いだ。伝統や文化を重視する「保守派」が慎重な姿勢を崩していない表れだ。

 会合後、太田氏は記者団に「今国会中に何らかの結論を得るように進めたい」と語った。調査会幹部を中心とした推進派は今国会中にも政府による新法提出を求めている。ただ、反対論はくすぶり続けており、党四役の一人は「いま無理をする理由はない。状況次第だ」と様子見の構えだ。(佐藤徳仁)

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