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2008年05月28日(水) 22時22分

企業決算訂正が過去最多 早期開示プレッシャー?朝日新聞

 上場企業がいったん発表した決算の訂正が07年度は前年度より400件以上多い2081件に上り、過去最多を更新した。08年3月期決算でもなお高水準だ。証券取引所から強まる素早い情報開示の求めに応じたものの、監査や公表資料の事前チェックなど社内外の態勢が追いついていないことが原因とみられる。

 決算発表業務の支援会社プロネクサスが、東京、大阪、ジャスダックなど6証券取引所の上場企業を対象に調べた。01年以降、訂正は一貫して増え、上場企業数の伸びを大きく上回る。

 08年3月期決算が発表される4月以降も、今月27日までで371件の訂正があった。前年同期よりは81件減ったが、05、06年と比べれば100件ほど多い。

 業績に直結する例もある一方、当期利益を中間利益と誤記したり、42億円を420億円に誤ったりといった単純ミスも目立つ。東証の担当者は「事前に見つけられるはずのものが多く、厳しくチェックしてもらいたい」と渋い顔だ。

 東証は07年春以降に発表する決算について、期末から45日以内の発表を要請。売上高にあたる営業収益の内訳を訂正した中堅証券は「素早い発表に加えて監査も厳格化され、発表資料のチェックなどに十分な時間がとりにくくなった」と打ち明ける。

 大和総研の吉田信之研究員は「一度訂正を出した企業は決算発表の業務の態勢を優先的に整えるようになる。今後は訂正も少なくなっていくだろう」と話す。

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