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2008年05月28日(水) 19時59分

ネパール王制、240年の歴史に幕 制憲議会が決議へ朝日新聞

 【カトマンズ=小暮哲夫】ネパールで28日、新憲法を起草する制憲議会が、王制の廃止と共和制移行を決議する。王制が民主的な手続きをへて廃止されるのは世界的に珍しい。1769年以来続いたシャー王朝の歴史は、民主主義を求める民意に追い込まれる形で、ついに幕を閉じる。

王制廃止を祝うデモ行進で「王制バイバイ」と叫ぶ市民ら=カトマンズ、小暮写す

議場近くであった王制廃止を祝うラジオ番組の生中継の現場に集まり、盛り上がる市民ら=カトマンズ、小暮写す

 王制廃止を受け、政府はギャネンドラ国王(60)の廃位と、王宮からの退去を求める予定だ。

 王制廃止の機運が広がったのは、国王が05年2月に強権的な直接統治を始めてからだ。国民の間に不満が高まり、06年4月には大規模な抗議運動が起きた。国王は下院を復活させたが、新政権は国軍の統帥権など旧憲法上の国王の特権を廃止した。

 今年4月の制憲議会選挙では、王制廃止急先鋒(きゅうせんぽう)の共産党毛沢東主義派(毛派)が575議席中220議席を取って第1党となるなど、ほとんどの政党が共和制への移行を主張。王制維持を主張した政党は4議席にとどまった。

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http://www.asahi.com/international/update/0528/TKY200805280273.html