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2008年05月28日(水) 12時23分

「オバマ」と発音する赤ちゃんが全米で急増中ダイヤモンド・オンライン

 オバマ人気もここまで来ると、やや度を越しすぎか。

 インターネット動画投稿サイトのユーチューブに、「オ」「バ」「マ」と発音する赤ちゃんの作品が次々と投稿され、全米のネットファンのみならずお茶の間の話題をさらっている。ついにはあの大手CATV局のCNNが「ベビーズ・フォー・オバマ」という特集を組むほどで、高名な言語学者まで引っ張り出して、「赤ちゃんはなぜヒラリーと発音できず、オバマと発音できるのか」と生真面目に分析するほどの浮かれようだ。

 振り返れば、選挙戦序盤にも、セクシーな女性が踊りながら、バラク・オバマ上院議員への賛歌を口ずさむ「オバマに夢中」がユーチューブ上で大ヒット。840万超の視聴数を集めた。その女性、アンバー・リー・エッティンガーさんは今や全米のネットファンのアイドル的存在だ。

 今回のオバマベビー旋風は、作品一本ごとの視聴数では多いものでも数十万であり「オバマガール」には遠く及ばないが、「私の子供や孫もオバマと発音できる」と主張する親や祖父母からの投稿が相次いでいるため、本数を合計すれば、オバマガールに勝るとも劣らぬ社会現象となりつつある。

 CNNの中でも紹介された話題作では、家族で食事中に、赤ちゃんが突然、「オ」「バ」「マ」と嬉しそうに大きな声を張り上げて連呼する姿が愛らしく映されている。親が「ヒラリーと言いなさい」といっても、赤ちゃんは意に介さず「オ」「バ」「マ」と叫び続ける。

 別の作品では、父親が「ヒラリー」や「マケイン」の名前を伝えても、赤ちゃんは無反応だが、オバマの名前をあげると、まるでオウム返しのように「オ」「バ」「マ」の三音節を繰り返す。

 そのほかにも、首がまだ据わっていない、見るからに生後間もない赤ちゃんに「誰に投票するの?」「ヒラリー?」「マケイン?」と親が尋ねると、赤ちゃんが偶然なのか「オバーマ」と即答する作品もあれば、ラップやサルサなどの音楽をバックに、オバマと連呼する赤ちゃんの合成映像を映し出す、ミュージッククリップ顔負けの作りこみをしている作品もある。

「私はオバマベビー」と題されたある作品では、本物のオバマ上院議員に抱かれる場面(合成なのか本当に抱かれたのか不明)も登場し、「ヒラリーやマケインじゃ泣いちゃう」「政治家はおむつみたいだから、チャンジ・ゼム(彼らを変えよう)」などと過激なオバマ応援歌を赤ちゃんに歌わせている(全部合成)。

 ちなみに、数週間前にユーチューブにわが子の「オバマベビー」デビュー作品を投稿したばかりの父親と母親に実際に取材したところ、オバマと発音できる理由は「ママという発音に近いから」「オバマの風貌が子供に安心感を与えるから」との分析だった。CNNの特集に登場した言語学者は、「音節の分かりやすさ」を理由にあげていた。いやはやオバマブーム、ここに極まれりである。

(ダイヤモンド・オンライン副編集長 麻生祐司)

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