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2008年05月28日(水) 12時00分

マサイ族にもケータイが普及中! ケニアの通信&ネットインフラ事情R25

2008年4月に開催されたロンドンマラソンにマサイ族の戦士6人が出場し、世界中の注目を集めたニュースがありました。彼らの目的は、井戸を掘る資金を確保すること。マサイ族の住む地域では、現在も安全に飲める水が確保されていない村も多いんだとか。

そんな過酷な現実がある一方、最近は携帯電話の利用者が増えてきているそうなんです。その辺の事情を、ケニア在住で『私の夫はマサイ戦士』の著書、永松真紀さんに聞いてみました。

「マサイ族にもケータイは普及しつつありますね。都会のお金持ちは子供まで、田舎で放牧をしている男性でも、子供やお年寄り以外は持っている人が多いです。というのも、電気や道路など他のインフラを整えるより、電話のアンテナを建てる方が簡単だからというインフラ事情もあるのでしょう。ケータイは、電気が通っていない地域でも車のバッテリーを使って充電できるので、ひょっとしたら電気設備のインフラより普及しているかもしれません。お金に余裕がある時にケータイを使う感覚で、月契約よりもプリペイド式が主流です」

マサイ族が暮らすケニアには 、「サファリコム」と「セルテル」のふたつの携帯電話会社があり、2000年にはわずか18万人だった利用者は、2006年末には730万人なったそう(伸び率は実に4000%超!?)。

ちなみに、ケータイ1台の価格は日本円で約3000円〜20万円。通話機能のみの安いものから最新型の多機能ケータイまで、価格帯はかなり幅広い。さらに、「サファリコム」には、日本では見られないような独特のサービスがあるんだとか。

「ある番号と相手の番号を入力すると、相手に『Please call me. thank you.』というメッセージが届きます。つまり電話をかけてきてってこと。このサービスは無料(1日5回まで)ですが、プリペイドに残金がなくても使えるので、結構ユーザーにウケてるんですよ(笑)」

一方、PCの普及ってどんな感じなんでしょう?

「ケータイに比べて普及は遅いですね。高価なPCを買える人は少なく、都市部でもほとんどの人がインターネットカフェを利用しています。ただ通信速度がすごく遅いので、音楽や映像は楽しめません」

そもそも情報を提供するサイトも少ないので、実際はウェブの閲覧よりメールをしている人がほとんどってことなんですね。

ともあれ、遠いケニアの人々も、私たちとケータイひとつで繋がることができるんだ〜とちょっぴり感動。そのうち、マサイ族の戦士と「次のロンドンマラソンに出場する?」なんて、おしゃべりできる日が来たりして!?(マサイ語、まったくしゃべれませんが)
(R25編集部)

マサイ族にもケータイが普及中! ケニアの通信&ネットインフラ事情の詳細情報

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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